韓国の対日対抗策第一弾は無意味な自殺行為に

セメント工場(写真:アフロ)

 日本から輸入する石炭灰は全数放射能検査すると韓国環境省が発表、これを原料にするセメント業界が混乱に陥っています。初の対日対抗策になるものの、原料不足になればセメントを日本から輸入するしかないそうです。おまけに日本の石炭灰は海外の引き取り手に困らないとか。石炭灰は火力発電から出る廃棄物ながら、原料にもなります。外交だけでなく、自国業界とも韓国政府は意思疎通ができない体質と申し上げましょう。悲鳴が上がっているセメント業界の情報を地元メディアのネット報道から拾ってみました。

 9日付「アジア経済」《在庫は1週分、全数検査で生産支障懸念》(韓国語)はこう言います。輸入量は128万トンです。

 《業界の日本産石炭灰への依存度は40%に達する。年間石炭灰の輸入通関が400件であるから、環境当局の検査が年間4回から400回まで増えるわけだ。このため、政府の貿易規制報復措置が国の基幹産業であるセメント産業の根幹を揺さぶる恐れがある》。通関手続きに1カ月以上かかると予想、現在の在庫は1週分しかないから使い切れば生産中断になります。《セメント、建設業界の一部は「事前協議もなく全数検査発表をしたのは、最悪のシナリオを選んだ」と批判した》

 原料が足りなくなれば国内が困ると伝えるのが7日付「マネートゥデイ」《石炭灰の輸入規制時にはセメント価格が上がる》(韓国語)です。現在はトン当たり5000円の処理費を日本からもらって輸入しているのに、原料不足になれば粘土資源開発などでお金がかかってしまうと言います。米国や東南アジアはお金を払っても石炭灰を引き取ろうとしているので、韓国輸入規制があればそちらに回ると見られます。

 《業界関係者は「輸入条件を検討してみると、かなりの量のセメントを日本から買う必要が出てきて、日本に利益をもたらすだろう」と憂慮した》

 大統領府の国民請願掲示板に「日本産石炭灰の輸入を止めよう」との意見が出され、賛同が10万人を超えています。放射能検査はこれまで異常が検出されたことはありませんが、韓国政府は国民請願にしか目が行かないのでしょう。環境省は足りなければ国内の火力発電から出る石炭灰をもっと使えばよいとの考えと伝えられますが、セメント業界によると生コン業界も使っていて余分はあまり無いそうです。どうして事前に聞き取りしないのでしょうか。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の聞く耳を持たない唯我独尊ぶりは異常に過ぎます。ホワイト国排除を前に第616回「次の韓国制裁土壇場で保守白旗直言、政権は苦悩」で紹介した保守系メディアの大統領決断を促す主張も、日韓請求権協定に基づいた「第三国の委員」による仲裁手続きに当面の日韓関係冷却を求めた識者の声も耳に入りません。第617回「日韓泥沼化の現場:反日政権を庶民は見透かす」で指摘したように心ある庶民は見切り、経済的にも通貨危機の入り口に立っています。株式市場は暴落し、ウォン・ドル為替相場は守ってきた「1ドル=1200ウォン」の防衛ラインを突破されたままです。外国資本流出は始まっています。