トルコ高速鉄道事故は安全系無しでの運行に起因

トルコの首都で高速鉄道の衝突・脱線事故(写真:ロイター/アフロ)

 トルコの首都アンカラで起きた高速鉄道の衝突・脱線事故は、信号システムを持たないで運行してきた無謀・無茶に起因していると報じられました。呆れたことにトルコ鉄道当局は自動列車停止システム(ATS)の新規導入を表明しました。9人が死亡、47人が負傷した事故の直接の原因は、高速鉄道列車の進行線路上に検査用の機関車が停止していたために衝突したものです。高速で走っているために運転士が危険を目で見つけてもブレーキが間に合わない特性があり、自動列車停止システムはどの国でも備えています。2009年の開業から信号無しで運行してきたとは驚愕の事実です。ダイヤが分単位で詰まっている日本の新幹線と違い、トルコでは1日に10便くらいしか運行しておらず専用路線だったので事なきを得ていた可能性があります。

 地元の独立系メディア「hurriyetdailynews.com」が18日に《3 arrested over high-speed train crash》で、高速鉄道列車と検査機関車が同じ線路上にあった理由は鉄道信号システムが無かったためだと伝えました。別の記事によると無謀殺人罪で拘束された3人は「事故前に線路の切り替えを忘れたかもしれない」と言っているようです。もしATS信号システムがあれば自動的にブレーキが掛かったはずです。

 「dailysabah.com」の《Turkish State Railways to buy 93 automatic train stop systems》がトルコ国鉄によるATS新規導入を報じています。今月27日までに公開入札されるようですから当分はATS無しで運行するのでしょうか、恐ろしや。完備するまで、日本の旅行者は乗車を避けるべきです。

 トルコ高速鉄道は中国が初めて国外に進出して建設した路線でした。アンカラからイスタンブールまでの半分をスペインとトルコ、残り半分を中国とトルコが建設しました。高速鉄道上での衝突事故と言えば、2011年の中国高速鉄道がまず思い当たります。第272回「ハードもソフトも安全装置総崩れ中国高速鉄道」でどうして事故が起きたか詳報しています。今回もこの関連かと考えてウオッチしていたら、安全系がそもそも存在しないのでした。路線建設にあたった中国にも、責任と言わないまでも助言する義務はあったと考えます。トルコのこのほかの路線も中国が建設したい意向でしたが、トルコは信号系を含めて安全なドイツに頼もうとしているとの報道が9月に流れていました。