最悪シーズンのインド大気汚染、改善に進まず

 インド首都圏の大気汚染マップを見ると気持ちが悪くなるほど悲惨です。現地5日正午の状況は微粒子PM2.5なら200~300マイクログラム/立方メートル程度あり、すべての人が屋外活動をやめる必要があります。2016年の第530回「インドでは首都に住んだら寿命が6.4年縮まる」で認識不足を指摘したインド政府がようやく動こうとし始めましたが、2024年に汚染レベルを3割程度まで落とすと言われるだけで、実現へ道筋は見えません。世界最大の民主主義国家インドは、やはり汚染が酷い中国と違い強権で工場・建設現場を一時操業停止、場合によっては廃業にするなどの措置がとれません。

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 11月の第1週が例年特に酷くなるのは農村部の野焼きがピークを迎えるからです。冬の作物に備えて、穀物などを刈り取ったあとを焼いてしまうのです。焼かずに処理するお金が農民に乏しく、警察まで動員しても抑制効果はあまり上がりません。第210回「2026年インド人口世界一:牛糞が家庭燃料の国」にあるように、調理・暖房に使う燃料から微粒子が大量に出ますから、野焼きのピークが終わっても排出源は膨大にあります。最高裁が年式の古い自動車のデリー首都圏乗り入れを規制するように命じましたが、非効率的なインド官僚組織が効果を上げるか、かなり疑問です。

 economictimes.indiatimes.comが3日付《India promises to cut pollution in ‘definite percentage terms》で世界保健機関(WHO)による第1回大気汚染と健康会議で政府が約束と伝えました。もうすぐ発表される改善目標は2024年までに微粒子汚染を30%に削減すると見られています。本来ならば国家規模の目標と浄化プランを作るべきながら、実施と評価が難しくて二の足を踏んでいるようです。WHOによると世界で汚染が深刻な14都市はすべてインドにあります。

 この汚染の最中に爆竹を大量に使うヒンズー教の灯明祭「ディワリ」が7日に迫っています。NNA ASIAの《デリーで1日から大気汚染防止措置、環境省》がデリーと周辺4都市で《爆竹使用の取り締まりが中心となるが、建設工事の一時中断なども盛り込んだ》《地元紙やロイター通信は、大気汚染がさらに悪化し非常事態レベルに達した場合には、デリーで11月1日から、乗用車やトラックの乗り入れが全面禁止となる可能性もあると報じている》と伝えました。背に腹はかえられない、切羽詰まった状況になっているようです。