現実に移民流入が日本の人口減少を抑制していた

 みずほ総研が21日に発表の《リサーチTODAY・東京の外国人住民比率約4%、日本は既に移民国家》が移民流入が人口減少を抑えていると指摘しました。住民基本台帳などによれば人口減が半分になっているのです。興味深いので周辺の統計などをあたってみると、近年流入しているのは圧倒的にアジア人で、かつて外国からの働き手主役だった日系のブラジル人やペルー人など南米人はむしろ微減でした。この10年来取り組まれてきたチャイナ・プラス・ワンの動き、その影響が色濃く出ています。第474回「先進国で稀な人口減少と高齢化をグラフで見る」で近くに迫っていると主張した危機的状況が緩和されそうです。みずほリサーチは「日本の人口対策は日本人の出生率を改善させるよりも、外国人の流入スピードを上げることのほうが即効性がある」とします。

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 住民基本台帳で外国人の登録者数が分かるようになったのは最近で、上のグラフに示す2014年1月1日からしか利用できません。これに人口動態調査も合わせて、進行中の日本人減少を阻むようになった外国人増加傾向を2017年までまとめました。外国人の国外からの転入が大きく増えているのに、国外転出はさほど増えず、外国人総数は2014年の200万人が2017年には232万人になりました。2014年には外国人もマイナスだったのに2017年には148,959人の増加に転じ、日本人の308,084人減少の48%を補ったことになります。外国人の出生数も2017年に16,579人まで増えています。また年間1万人に近い外国人帰化があり、こちらは日本人としてのカウントに回ります。

 どの地域の増加が多いのか、在留外国人統計で調べます。法務省による在留外国人統計は統計のとり方が住民基本台帳と少し違いますが、似通った数字になる2016年末と2013年末で比較します。

    2016年末 2013年末  増加分

アジア 1,970,253 1,676,343 293,910

ヨーロッパ  72,138 59,248 12,890

アフリカ 14,686  11,548 3,138

北米  68,382  62,749  5,633

南米  242,507  243,246  -739

オセアニア 14,262   12,694   1,568

 圧倒的にアジアが増えています。国別では増加1万人に近いミャンマーから上位は以下です。スリランカ、インド、タイ、カンボジアの増加が5千以上でこれに続きます。在留50万人に近い韓国・朝鮮は3万4千の減少でした。

   2016年末 2013年末   増加分

中国  695,522   649,078   46,444

台湾  52,768  33,324   19,444

ネパール 67,470   31,537   35,933

フィリピン 243,662 209,183 34,479

ベトナム 199,990 72,256  127,734

インドネシア 42,850 27,214 15,636

ミャンマー 17,775   8,600   9,175

 チャイナ・プラス・ワンで企業が進出した先から色々な人材を受け入れているようです。従来は女性が多かったのに、以下に20代で示すように男性の増加が著しく介護などよりも工場労働などが想定できます。

  2016年末 2013年末

20代男性 362,879 258,968

20代女性 312,804 267,723

 ベトナムの増加が特に目立つ点について、技術者としての雇用があると言われています。真面目で親日的な国民性もプラスです。人財プラネットの《ベトナム人技術者という選択》が次のような事情を挙げています。

 《ベトナムが理数系に強く優秀な技術者が育つ土壌であること~ベトナム政府は教育に力を入れており、GDPに対する教育への政府支出割合が約6.3%と世界的に見ても高い水準を保っています。なかでも特に理系・工科系に注力しており、日本でもおなじみの「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」では、2015年にフンイエン技術師範大学、2014年にラクホン大学が優勝校に輝いているほか、国際数学オリンピック、物理オリンピックでもゴールドメダリストを排出する常連国でもあります》

 2015年に第499回「こんな超高齢亡国にしては…と痛感するグラフ」を書いています。2050年の生産年齢人口割合で世界各国を並べ、65歳以上人口と14歳以下人口の割合も同時に見ています。日本は圧倒的な超高齢亡国の途上です。自公政権は移民受け入れに消極的ですが、今回示した自然発生的な受け入れが補ってくれるかもしれません。