汚染水めぐり中国中央テレビが韓国番組利用し捏造報道か

 中国中央テレビが韓国公共放送の番組をつまみ食いして福島原発事故の汚染水で捏造報道した可能性が高いケース発生。韓国側は日本で食品の安全性取材をしましたが、中国側が強引に汚染水問題にすり替えたようです。問題の記事はXINHUA.JPの18日付《韓国記者が「東京五輪」開催に疑問、東京近海の汚染水調査を実施 「安倍首相の発言通りではなかった」―中国メディア》です。下に引用するテレビ画面が示すように、韓国KBSの画面を使って中国CCTVが報じた内容がソースになっています。

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 最も粗雑なのは次の点です。《安倍晋三首相は五輪開催地を決定する最後のプレゼンテーションで「汚染水の影響は0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」と説明した。だが、KBS記者が日本の大学と共同で東京近海の7カ所で海底の泥を採取して検査した結果、いずれのサンプルからも基準値を超えるセシウムが検出された》

 東京湾・荒川河口の泥で1キロ当たり625ベクレルのセシウムを検出したと聞いても日本国内では驚きはありません。関東の河川中流域では1000ベクレルを超える場所はいくらでもあります。2011年3月の事故当初に放射能の雲が何度も関東を襲い、雨が降った場所に蓄積して今も下流に流れ出しています。しかし、現在進行している汚染水漏出問題とは何の関係もありません。

 韓国KBSが日本向けに提供している「KBS WORLD」には関連記事はありません。ネット上で検索すると《福島原発事故で明らかになった日本の二つの顔 KBS時事企画の窓15日午後10時放送》(原文:韓国語)という番組お知らせページに行き着きました。

 「現場ルポ、福島の真実」として《福島原発事故が起きてから30カ月。"時事企画の窓"の取材陣は、福島原発の8キロ地点まで接近した》と始まり、東京湾7カ所での海底土調査へと続きますが、放射能の由来については正しく認識しています。取材の意図は韓国の水産物輸入禁止に関連した食品の安全性にあり、日本政府の発表を信じられないとする仮設住宅避難民の声を紹介。1067件の食品放射能測定データを独自に入手、95件で基準値を超えていて韓国政府の放射能検査網をすり抜けている場合があると指摘します。

 実際の番組で何か語られたか確認しようがありませんが、番組お知らせページには汚染水問題は全く出ていません。現地を知らない中国中央テレビの記者が東京湾の汚染は格好のネタと飛びついた可能性が高いと判断します。ネットで検索すれば汚染水漏出と関係が無いと知るのは容易だったはずです。取材の基本能力を欠いています。

 【参照】インターネットで読み解く!

     第382回「無管理同然、汚染水漏れ疑惑タンクが一気に拡大」

     第364回「『江戸前』に赤信号、ウナギ汚染をなぜ騒がぬ」