ご当地料理を自宅で作って旅気分? 根室のエスカロップ風カツライスを作ってみた!

ボリュームたっぷり、根室のエスカロップ風カツライス/筆者調理&撮影

 緊急事態宣言は解除されたけど(2020年6月14日現在)まだまだ気軽に、遠くへ旅に行ける感じじゃないかもね。俺は旅が仕事なので、遠出ができなくてモヤモヤしている。仕事はさておき、旅に行けなくて同様にモヤモヤしている人、多いんじゃないだろうか。

 そんなモヤモヤを紛らわすため、俺はこの自粛期間中に「旅先の名物料理を自宅で作って、疑似旅行気分を味わう」ということを始めてみた。一応5年前から料理教室に通っているので、そんなに難しくない料理なら作れるのだ。

 そしてやってみたら、けっこう楽しいので、皆さんにもオススメしてしまおうというわけである。一緒にその旅先の写真も掲載して、旅気分を味わっていただければ、っていただけるかなそれで? とりあえず1回目(2回目はあるのか)は北海道の東の果て、根室のエスカロップ風カツライスを作ってみた。

納沙布岬で北方領土を見る!

納沙布岬/筆者撮影
納沙布岬/筆者撮影
中央右寄りに突き出るのが貝殻島の灯台/筆者撮影
中央右寄りに突き出るのが貝殻島の灯台/筆者撮影
太平洋回りで納沙布岬へ/筆者撮影
太平洋回りで納沙布岬へ/筆者撮影

 根室はご存知の通り、北方領土が見える街。JR根室駅で降りて街に出ると、至るところにロシア語併記の看板があり、けっこうビックリ。ショッピングセンターとかにロシア人がたくさんいるし「インターナショナルな街に来た」ことを、まず実感する。

 北方領土を見に、納沙布岬へバスで向かう。乗ったバスが「太平洋回り」って、スケールでかいねさすが北海道。そして納沙布岬に着き目に飛び込んだのは「イデオロギー」前面押しの石碑の数々。一方で北方領土観光客向けに「ウニ」「カニ」のノボリはためく食堂もいっぱいあり「ウニVSイデオロギーの仁義なき戦い」という印象を受けた。

街の至る所にロシア語が/筆者撮影
街の至る所にロシア語が/筆者撮影

 そして海を見ると、すぐそこに北方領土の島々が見える。ここで基本確認、よく「北方四島」というけど「北方領土の島は4つ」ではない。四島のひとつ「歯舞」は「歯舞群島」で、貝殻島、水晶島、勇留(ゆり)島、秋勇留島などの島々から成っているのだ。

 その中で、いちばん間近にあるのが貝殻島で、極小の島の上に灯台が立っている。島というより「海から突き出る灯台」にしか見えなくて、灯台は古くて傾きかけて、なんとも切ない佇まい。一方で泳いでいけそうな「近さ」に驚く。北方領土については様々な意見があると思うけど、まずはこの「近さ」を実感して、いろいろ語るのはそれからかな。

納沙布岬のグルメのぼり/筆者撮影
納沙布岬のグルメのぼり/筆者撮影
まずは見てから、北方領土について考えよう/筆者撮影
まずは見てから、北方領土について考えよう/筆者撮影
狭すぎるバス待合所/筆者撮影
狭すぎるバス待合所/筆者撮影

 個人的には岬のバス待合所の、極限を超えた狭さにビックリした。風除けなんだろうけど閉所恐怖症の俺は、ここでバスは待てない。あと日本最東端のポストとかソフトクリームとか、細かいものばかり気になる俺なのだった。ちなみに訪ねたのは8月末だったけど、ソフトクリームをなめるにはすでに寒かった。いやはや。

ソフトクリームには寒い日だった/筆者撮影
ソフトクリームには寒い日だった/筆者撮影
花咲ガニ。持ち方を誤ると、トゲが当たってけっこう痛い/筆者撮影
花咲ガニ。持ち方を誤ると、トゲが当たってけっこう痛い/筆者撮影

 ほかに根室といえば花咲ガニ! 旬は夏でこれからが本番で、そして驚くほど安いんだよね。1パイ1000円とか1500円とかで。地元の人は「俺たち滅多に食べないよ」と言っていたけど、とにかく旬の時期に地元で食べると安い。コレは覚えておこう。

 というわけで、いよいよエスカロップを作ってみたい。

揚げたてトンカツとバターライスでバーチャル根室

みじん切りのタケノコをバターで炒める/筆者撮影
みじん切りのタケノコをバターで炒める/筆者撮影

 エスカロップは細かく刻んだタケノコ入りバターライスに薄めのトンカツを乗せ、ドミグラスソースをかけた料理である。1963(昭和38)年に根室の喫茶店のメニューとして生まれ、昭和50年ごろから市内の多くの飲食店で提供されるようになり、根室名物として定着した。フランス語で「カツレツ用の切り身肉」「肉や魚の薄い切り身、またはそれを使った料理」を意味するそうで、もともと東京新橋のレストランで出していた料理が、根室に伝わってきたんだとか。

肉をめん棒で叩いて延ばす。銀の棒は、こう見えてもめん棒/筆者撮影
肉をめん棒で叩いて延ばす。銀の棒は、こう見えてもめん棒/筆者撮影

 というわけで調理するのだが――ここで紹介するのはあくまでも「根室のエスカロップ風カツライス」。本物は気軽に旅に行けるようになったら、根室で食べてほしい。ドミグラスソースを家庭で作るのは大変だから(作れる人は作ってね)ここでは市販のものを使うし、やはりプロが作る料理とは雲泥の差があるので、現地に行くまでの「つなぎ」ってことで何卒ご了承を。

 さて調理。水煮タケノコ100gをみじん切りにして、バターで軽く炒める。米2合をといで分量の水を入れ、塩コショウとコンソメ顆粒、炒めたタケノコを入れて、炊飯器で普通に炊く。

 ソースは市販のドミグラスだけでもいいけど、個人的にカツにかけるならパンチがほしいと思い、ウスターソースとケチャップとしょう油を少しずつ足してみた。ここに水も少し加え、小鍋で温めて煮詰めておく。

中温(170~180度)の油でカラリと揚げる/筆者撮影
中温(170~180度)の油でカラリと揚げる/筆者撮影

 豚ロース肉は筋切りして、ラップに包んでめん棒で叩き、薄くのばす。小麦粉と溶き卵とパン粉をつけ、中温の油でカラリと揚げ、油を切る。

 バターライスが炊き上がったら、好みの生野菜(キャベツ、キュウリ、トマトなど)と一緒に皿に盛り、一口大に切ったカツをライスの上に並べ、ソースをかければ完成。

 トンカツを自宅で揚げるのが大変という人は、買ってきたカツでもいいかもね。ただし自宅で揚げたてのカツを乗せると、リアルに「根室に行った気分」が盛り上がることを、付け加えておこう。

 

 根室を訪ね、エスカロップを食べたあと、夜は市内のバーを周った。北方領土については、地元でもいろいろ意見が分かれているそうだ。ただ飲食店などで隣に、ルーツが北方領土の人がいる場合もあるので、あえてその話題は出さないよう気遣っていると聞いた。何ごとも現場に行ってみると、温度感その他印象が違うなと思ったのだった。

 というわけで「自宅で旅先グルメ」ステイホームの献立作りの参考に、ならないか。早くいろいろ元通りになってほしいね。