2020年もまた、安倍一強政治が続くのか

対中外交に腕力を発揮する安倍首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

2020年は日本政治のターニングポイントになる

 2020年はこれからの日本政治を決する年となるに違いない。その鍵となるイベントが2つある。まず7月には東京都知事選が行われ、「一地方自治体」とは言い切れない巨大な権限を持つ首長が選出される。次に2021年10月に任期満了を迎える衆議院の総選挙がいつ行われるかという点だ。

年末の秋元司前IR担当副大臣の逮捕で年明け早々の解散・総選挙説は消えたが、自民党総裁選が2021年9月に予定されているため、任期満了近くになる可能性も出てきた。自民党総裁選と衆議院選を同時期に行えば、互いに注目度を高め合うからだ。

 もっとも安倍晋三首相が総裁4期目を狙うかどうかで変わるだろうが、結論は2020年中にはっきりするだろう。一番の問題はオリンピックの後に来る景気後退をどのように克服するかという点だ。再度アベノミクスを掲げるのか。それともネオ・アベノミクスを作るのか。あるいは世界経済に助けられるかもしれない。

安倍4選説が根強いワケ

 経済政策が成功すれば、「安倍続投」の雰囲気は高まる。そもそも党内で確定した後継者がいない。安倍首相自身は岸田政調会長への禅譲を考えていると言われるが、党内では岸田氏では選挙で戦えないとする声が多い。何より2012年と2018年の総裁選を安倍首相と戦った石破茂元幹事長や、総裁選出馬を模索して推薦人を集めようとした野田聖子元総務会長とは違い、岸田氏があえて自分から総裁の座を獲りに行こうとしなかった点が問題だ。

 もうひとつは山崎拓元自民党副総裁が「(安倍首相には)憲政史上最年長といいながら、目立った功績がない」と批判した通り、いまだ歴史にレガシーを残せていない点だ。亡父・晋太郎氏の秘書時代から取り組んできた北朝鮮による邦人拉致問題は、びくりとも動いていない。それどころか2014年に北朝鮮から田中実さんら2名の生存が非公式に伝えられたが、日本政府はこれを秘していたことが明らかになっている。

 さらに憲法改正もレガシー候補だ。しかし12月29日に放映されたテレビ東京の「NIKKEI日曜サロンスペシャル」で安倍首相は、「4選を全く考えていない」としつつも、「あと1年9が月ある。総理の在職日数としては平均に近い、それくらい残っている」と述べたが、憲法改正を実現するにはとても足りない時間だ。

都知事選同日選の可能性

 もし安倍首相がこうしたレガシーを残すことを諦めていないなら、やはり総裁選4選狙いしかない。そこで7月5日の都知事選との同日選が浮上する。

 飯島勲特命担当参与はそうなれば自民党の総力戦となり、小池百合子都知事がひとたまりもないとするが、二階俊博幹事長は事実上、小池支持を表明しており、安倍首相も12月17日に二階氏と会談した時に「小池知事に勝てる候補はいないのではないか」と述べたとされる。

 もっとも安倍首相がさして親しくない小池知事を支持したのなら、小池知事を留めておかなくてはならない別の思惑があったはずだ。それが次期総裁選での小池知事動きを止めることならどうか。小池知事は石破氏と同じ新進党に所属したことがあり、野田氏は小池知事が2016年の知事選に出馬した時、応援にきてくれた貴重な“友人”だ。彼らが総裁選に出馬するなら、力強い応援団になるに違いない。その前に小池支持を表明すれば、これを潰すことになる。

 さらにいえば上述したテレ東番組で、安倍首相が後継者として岸田氏の他、茂木敏充外務大臣や加藤勝信を挙げたことだ。安倍首相が自発的に世論調査で上位に上がる石破氏や野田氏の名前を口にすることはなかった。強敵を除外するところに、政権へのこだわりが感じられる。

野党が政権を獲るのはまだ遠い

 さてこのような安倍自民党に対して、野党はどのようにまとまろうとしているのか。立憲民主党と国民民主党は年内の合流を目指したが果たせず。いまだ参議院での対立は根強い。

 また日本共産党の志位和夫委員長は12月17日のBS番組で、総理への意欲を垣間見せた。キャスターから「細川護熙さんだって総理になっている。どうなんだ」と乗せられ、「皆さんに言われれば、まとまればやる」と口をすべらせた。

しかし批判力にこそ存在価値がある共産党が与党入りすればそのレゾンデートルを失うし、そもそも共産党が政権を獲った国の国民が幸せになったことがほとんどないというのが歴史の事実だ。

 このように考えていけば、日本の政治はとうぶんの間、やはり安倍首相を中心に回っていくと考えざるをえないといえるだろう