【第200回臨時国会】共同会派結成するも分裂含み 悩ましさがつのる参議院国民民主党

臨時国会が始まったが……(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

あわや!天皇陛下をお迎えできなかったかも?

 10月4日からの第200回臨時国会は、ちょっとした騒動で始まった。

「このままで天皇陛下をお迎えできるのか」

 参議院でこのような声が聞こえたのは、前日の3日夕方のこと。今国会から共同会派を組んだ立憲民主党と国民民主党の間で、各委員会委員長など「人事」が決まらないのだ。衆参両院の各委員長は開会式の前に天皇陛下をお迎えすることになっているが、。それに間に合わなければ前代未聞の不祥事になってしまう。

「結局、うちに連絡が来たのは午後8時で、それから貸衣装店に議員が着用するモーニングを手配しなければならず、大変だった」

 最もとばっちりを受けたのは新委員長の事務所だろう。ある立憲の議員秘書雄はこうぼやく。自前のモーニングを持っている議員は、いまどき自民党の一部の有力議員のみで、大臣を含め多くの議員は貸衣装に頼っている。しかも午後8時以降になると、ほとんどの貸衣装店は閉まっているのだ。

立憲が独断で筆頭理事を届け出

 騒動はそれだけに収まらない。委員長ポストはかろうじて前日までに決まったものの、花形ポストである議院運営委員会と予算委員会筆頭理事のポストについては立憲側も国民側も互いに譲らなかった。にもかかわらず、立憲側が勝手に届け出を出してしまったのだ。

「これでは立憲民主党の“総取り”ではないか!立憲民主党は国民民主党を見下しているのか!」

 怒りが収まらないのは、国民側の参議院議員だ。交渉では立憲側の芝博一国対委員長と国民側の舟山康江国対委員長が怒鳴り合うシーンもあったという。

議員総会も別々に開催

「確かに7月の参議院選挙では我々は立憲民主党に負けたが、だからといって多数派が思い通りにしていいわけではない。我々が自由党と合流した時、委員会の構成や質問の機会など、旧自由党の議員に配慮した。互いに思いやってこそ、行動を共にできるのではないか」

 立憲も国民も元は同じ民進党だが、分かれて2年でそれぞれのDNAさえも違ってしまったのかもしれない。その分裂例が4日の議員総会といえるだろう。

前日までは合同でより広い参議院第5控室で行われることになっていたが、急遽変更されて別々に開催。しかし“満額以上の結果”を得た立憲側は、始終和やかなムードだったようだ。安倍晋三首相の所信表明演説の後にぶら下がりに応じた長妻昭代表代行も、「時が解決する」と楽観的だった。

本会議場の議席も分かれて……

 だが禍根はしつこく残っている。たとえば参議院の議席配置だが、若手と中堅では立憲と国民が混在化しているが、ベテランの議席は完全に分裂状態だ。最後部では郡司、鉢呂、蓮舫、福山、長浜の立憲の幹部5名と、大塚、榛葉、小林、羽田、増子、柳田の国民のベテラン6名が、見事に分離。「立憲と国民が相いれないという象徴」になっている。

 そもそも参議院の国民民主党には、「衆議院に引きずられた」という気持ちがあるようだ。

「いつ解散があるかもしれない衆議院では、立憲民主党と組む必要があるんだろうが、参議院は後3年間は(本)選挙がない。しかし落選した仲間の無念さは続いており、それを執行部が理解しているかどうか……」

 今回の臨時国会では消費税や憲法改正、ホルムズ海峡の有志連合を巡る問題などが山積しており、いずれも立憲民主党と国民民主党では意見が分かれるものだ。それをカバーすべく、野党は関電問題などの疑惑追及に乗り出そうとしているが、貴重な臨時国会の会期をそれだけで潰すべきではない。その中であえて立憲民主党に抵抗する参議院の国民民主党には、国民生活に必要度が高い政策議論への誘導を期待したい。