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『スターウォーズ フォースの覚醒』を見る前に! 見た気になれるSW【その1「新たなる希望」】

渥美志保映画ライター

『スターウォーズ フォースの覚醒』の公開がカウントダウンに入ってきました。世の中がソワソワしてる感じですが、ここにきていろんなひとに聞かれます。

「前のシリーズ6本、見なきゃダメっすか?」

もちろん見どころは物語だけじゃないし、新作だけでも楽しめるとは思います。でもシリーズなんだから、知ってるほうが面白いのは当然。とはいえ全部で13~14時間のシリーズを見返すのは骨が折れる…って方のために!今月は公開日の18日までに旧作6本のストーリーと見どころを【5分でわかる式に】ご紹介いたしますー。

個人的には公開順で【旧三部作】(エピソード4~6)から見るのが一番だと思いますので、ここでは【EP4】からスタートしタイと思いますー。時系列で分かりやすく!という方は、こちら、『EP1 ファントム・メナス』からどうぞ!

SWの【旧三部作】は、基本的に「宇宙を支配する銀河帝国軍」と「その支配に抵抗する反乱軍(レジスタンス)」の戦いを描いているのですが、その核となるのが「デス・スター」という惑星すら丸ごとふっ飛ばせる惑星型の超大量破壊兵器です。

【EP4】(時代を感じさせる当時の予告編はこちら)ではこの兵器の設計図を盗み出した反乱軍が、デス・スターを破壊するまでを描きます。

物語の開始の時点で、設計図を持っているのは反乱軍の陰の支援者レイア姫(キャリー・フィッシャー)。彼女は銀河帝国の議会である「元老院」の議員で、外交特権を利用して怪しまれずに反乱軍の本拠地へと運ぼうとしています。ところがそろそろ完全な軍事独裁体制に入ろうとしている帝国軍は、その道中にある宇宙船を拿捕。レイア姫は設計図を仕込んだR2-D2という「ドロイド」(SWの世界ではロボットをこう呼びます)を宇宙船から脱出させ、辺境の惑星タトゥイーンに住むオビ=ワン・ケノービ(アレック・ギネス)のもとにこれを送ります。

オビ=ワン・ケノービは、ある種の超能力「フォース」を操る「ジェダイの騎士」です。彼らは、銀河帝国が支配する以前にあった銀河共和国、その平和をフォースによって維持してきました。ところが今の帝国の皇帝が仕掛けた「クローン戦争」により、そのほとんどが殺害。オビ=ワンは密かに生き伸びたひとりです。

タトゥイーンにたどり着いたR2-D2(とくっついてきたC3PO)は、運命的に青年ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)に発見されることでオビ=ワンに届けられます。実は赤ちゃんの頃からルークを見守ってきたオビ=ワンは、このタイミングが頃合いと思ったのでしょう、養父である叔父との平凡な暮らしに物足りなさを覚えていたルークに、「お前の父はジェダイだった。宇宙一のパイロットだった」と告げ、ジェダイしか持てないライトセーバーを手渡します。結果ルークは反乱軍の戦いに身を投じていくことになります。

二人はまずは設計図をレイア姫の故郷オルデラーンへ届けることにし、運び屋として契約したのが「銀河最速のガラクタ」ミレニアム・ファルコン号の船長、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)。生き馬の目を抜く銀河のワイルドサイドを生き抜いてきた百戦錬磨のつわものです。タトゥイーンの裏社会の大物、ジャバ・ザ・ハットに多額の借金をしているソロは、帝国軍を敵に回すヤバイ仕事でも金が良ければOK。金額をふっかけてるところもソロらしいです。

さて【EP4】前半の名シーンをチェックしましょう。

まずは田舎暮らしに飽き足らないルークが、地平線に沈む「ふたつの太陽」を見ながら、まだ見ぬ世界に思いを募らせる場面。その夕焼けが何とも幻想的で美しいし、ふたつの太陽を通じて様々なもの――双子、二つの人生、ルークの中にある善と悪の対立など――を想起させる、シリーズ屈指の名シーンです。【EP3】のラストに直結する場面でもあるし、『フォースの覚醒』にも出て来るんじゃないかなあ。先日プロデューサーのキャスリーン・ケネディさんに取材した時、彼女も「シリーズの中で一番好きなシーン」としてあげていました。

もうひとつ、幼い頃に見た私が「すっげー!」と興奮したシーンは、ルークとソロが出会う酒場のシーンです。帝国の支配が及ばない辺境タトゥイーンはならず者が吹き黙る場所で、このバーはその縮図。ありとあらゆる宇宙人のパペットが登場し、SWのイマジネーションの豊かさが本当に楽しい。ルークに絡むならず者に、見かねたオビ=ワンのライトセーバーが一閃!その腕を切り落とすと、酒場が一瞬で静まり返るというエピソードには、ジェダイがどれだけ「泣く子も黙る」存在かが分かります。引用されているのは、西部劇の凄腕ガンマンが登場する場面で、SWはこういう部分も面白いんですね。

さて追手を振り切り一行はオルデラーンへ。ところが惑星はデス・スター丸ごと爆破されていた上に、その引力に捕まったミレニアム・ファルコン号はデス・スターに上陸するハメに。脱出する算段のためにデス・スターの心臓部へ向かったオビ=ワンは、かつての弟子ダース・ベイダーと遭遇して命を落とします。一方、ルークたちはスター内にレイア姫が囚われていることを知り、これを助け出します。ようやく合流した運命の3人。クソ生意気な正義の若造ルーク、場当たり的に動く守銭奴のソロ、跳ねっ返りで常に上からの物言いのレイア姫、と、みんな追われてテンパってるせいかキャラがむき出しで、めちゃめちゃ面白い逃走珍道中。そしてデス・スターからようやく脱出した3人は、反乱軍の本拠地へと逃げ延びます。

設計図を手に入れた反乱軍はついにデス・スターの弱点を発見。それはデス・スターの横っ腹にある狭い溝を超低空で飛び、原子炉の炉心につながる直径2mの排気口に直撃弾をお見舞いすること。奇跡が起きなければ成功は望めないめちゃめちゃ難しい任務です。こういった曲芸的な飛行場面はスピード感に溢れる見どころで、そのまんまゲームの世界で、やってみた~い!って思うんですが、同時にスカイウォーカーの血を証明するシーンとして繰り返し登場します。そして自身のフォースを信じるルークは、「俺は金のためにしか動かねえ」とワルぶって去ったはずのソロの援護を受けて、デス・スターの弱点を直撃。ふたりは反乱軍の英雄となり、大団円となります。

さて続きはこちら、【EP5】をどうぞ。'''その場のノリに流されて借金返済を先延ばしにしていたソロが大変なことに'''!シリーズ最大の賢者、ヨーダも登場します!

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http://bylines.news.yahoo.co.jp/atsumishiho/20151213-00052371/『スターウォーズ』の物語の原点!見た気になれる【新三部作(その2)】「クローン戦争」

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映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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