先週末からの九州アジアリーグ(KAL)は、梅雨前線に悩まされ予定されていた試合の多くが中止、またはノーゲームとなった。

 大分B-リングスは、佐伯中央病院スタジアムで10日からソフトバンク三軍との3連戦を予定していたが、雨天中止と試合途中ノーゲームで2試合を流し、結局11日日曜に1試合のみを行った。

 B-リングスは、その試合までリーグ最多の57回2/3を投げているエース、岡部峻太(九州三菱自動車)を先発に立て、小刻みなリレーで8回までソフトバンク打線を3点に抑えた。打線もこの投手陣の踏ん張りに応えるかのように2回に先制を許した後、すかさずその裏に4番山下海星(岐阜協立大)のライト前ヒットを足掛かりに下位打線が四球や安打でつなぎ、1点を返し、1番廣沢新太郎(九州総合スポーツカレッジ)まで回すと、廣沢はサードに同点の内野安打を放った。廣沢は前回のソフトバンクとの対戦で、侍ジャパンのエース格でもある千賀滉大から3打数3安打の離れ業を演じているが、この日も5打数2安打で「ホークスキラー」ぶりを発揮した。

5打数2安打と気を吐いた廣沢(大分球団提供)
5打数2安打と気を吐いた廣沢(大分球団提供)

 9回まで4対3とリードしたB-リングスはこのまま逃げ切るかに思えた。最終回を任された新井宏斉(福岡教育大)はこの試合まで13試合に登板、1勝2セーブを挙げ、チームの「勝利の方程式」の最後を担う立場。2アウトランナーなしまで無難に抑え、勝利まであと1人となったのだが、ここからソフトバンク打線が粘った。ドラフト4位のルーキー・川原田純平(青森山田高)から怒涛の4連打。試合をひっくり返しこの回3点を挙げた。よもやの大逆転にB-リングスは意気消沈したのか、9回裏の最後の攻撃は、なすすべなく3者凡退に打ち取られゲームセット。B-リングスにとっては痛い敗戦となった。

 この試合で、B-リングスの公式戦、交流戦含めた今シーズンの成績は、7勝22敗となった。

ソフトバンク三軍相手に奮闘するも敗戦となった。(大分球団提供)
ソフトバンク三軍相手に奮闘するも敗戦となった。(大分球団提供)

球場紹介:佐伯中央病院スタジアム

大分B-リングスのホーム球場のひとつ佐伯中央病院スタジアム(筆者撮影)
大分B-リングスのホーム球場のひとつ佐伯中央病院スタジアム(筆者撮影)

 KALの記念すべき初公式戦が行われた球場がここである。佐伯市は大分県最南端にある旧城下町で、その城下町の一角に位置する甲子園出場3回の佐伯鶴城高校からは、法政大学、バルセロナ五輪代表チームなどの監督を歴任するなどアマチュア野球の発展に尽力し、野球殿堂入りした全日本野球協会会長・山中正竹氏、1986年の広島カープ優勝時の監督・阿南準郎氏らが輩出されている。

球場のすぐ近くにある地元の英雄・山中正竹氏の野球殿堂入り記念樹を示す石碑(筆者撮影)
球場のすぐ近くにある地元の英雄・山中正竹氏の野球殿堂入り記念樹を示す石碑(筆者撮影)

 この高校からプロに進んだ選手には、大石弥太郎、野村謙二郎、廣瀬純など阿南氏を含めてカープOBが多く、地元観光協会ではカープOBゆかりの地を「聖地」としてPRしている。この町の名物グルメはこの地独特の調味料で味付けする「ごまだしうどん」。

漁師町佐伯の味と言えばごまだしうどんだ。(筆者撮影)
漁師町佐伯の味と言えばごまだしうどんだ。(筆者撮影)

 町中にあるごまだしうどんとカレーの店、「ICHIE」を切り盛りするのは、元カープ戦士、八木孝さんの奥さんだ。八木さんもまた鶴城高校のOBで、80歳になる今でも地元で野球やソフトボールの指導に当たっているという。

ごまだしうどんとカレーの店、ICHIEの店内はカープ選手の色紙でいっぱいだ。(筆者撮影)
ごまだしうどんとカレーの店、ICHIEの店内はカープ選手の色紙でいっぱいだ。(筆者撮影)

 球場は郊外に位置する総合運動公園内にある。開場の1992年には広島とヤクルトのオープン戦が行われている。両翼98メートル、中堅122メートルは国際規格を満たしており、2018年アジア大会に際しては、社会人選手で構成された日本代表の合宿地にもなった。収容人員は内野9000人、外野芝生席6000人の最大1万5000人だという。2019年からは地元総合病院がネーミングライツのスポンサーとなっている。

 地方都市の郊外に立地しているとあって、球場の周りには野鳥が飛んでいる。デーゲームでのんびり観戦しながら食べ物などほおばっいてると、「まさにトンビに油揚げをさらわれる」ようで、イニング間には「トンビに注意」の文字が今シーズンに完成した液晶ビジョンに映し出される。

今年新装なった液晶ビジョン(筆者撮影)
今年新装なった液晶ビジョン(筆者撮影)