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J1最終節のG大阪・浦和・鹿島の優勝条件まとめ、セルジオ越後いわく「未成熟ゆえに盛り上がる終盤戦」

浅野祐介OneNews編集長

12月6日に開催されるJ1最終節。タイトル争いはこの最終節までもつれ、ガンバ大阪、浦和レッズ、鹿島アントラーズの3チームに優勝の可能性がある。

上位3チームの成績※第33節終了時点

1位 ガンバ大阪|勝ち点62・得点59・失点31・得失点差+28|最終節はアウェーで徳島ヴォルティスと対戦

2位 浦和レッズ|勝ち点62・得点51・失点30・得失点差+21|最終節はホームで名古屋グランパスと対戦

3位 鹿島アントラーズ|勝ち点60・得点64・失点38・得失点差+26|最終節はホームでサガン鳥栖と対戦

前節、ヴィッセル神戸を下し、今シーズン初めて首位に浮上したガンバ大阪が得失点差で浦和レッズを上回り、最終節では既に降格の決まっている最下位の徳島ヴォルティスと対戦する。浦和レッズとの得失点差は7。徳島ヴォルティス戦で勝利を収めれば、9年ぶり2度目のJ1制覇の可能性は極めて高い。

一方、最終節を2位で迎える浦和レッズは前節、サガン鳥栖と1-1で引き分け、14試合守り続けていた首位の座から転落。最終節はホームに11位の名古屋グランパスを迎える。得失点差で首位のガンバ大阪と3位の鹿島アントラーズを下回るため、勝利した上でガンバ大阪が引き分け以下、あるいは引き分けでも、ガンバ大阪が敗れて鹿島アントラーズが引き分け以下に終われば、8年ぶり2度目の優勝が決定する。

3位につける鹿島アントラーズは、ホームで迎えるサガン鳥栖戦での勝利が絶対条件。その上で、上位2チームが敗れれば、5年ぶり8度目のJ1王者が決まる。ガンバ大阪が引き分けて、浦和レッズが敗れた場合は、得失点差の争いで3点差以上の勝利で優勝、2点差の勝利だと総得点での勝負となるが、現時点でガンバ大阪を5得点上回っているため、優勝は確実と言えるだろう。また、ガンバ大阪が敗れ、浦和レッズが引き分け、鹿島アントラーズが勝利した場合は、浦和レッズと鹿島アントラーズが勝ち点63で並ぶ形となるが、この場合は得失点差で上回る鹿島がJ1王者となる。

さらに残留争いに目を向けると、1993年のリーグ初年度から一度も降格経験のない清水エスパルス(15位)と大宮アルディージャ(16位)が、J1残留の「最後の1枠」を懸けて最終節に臨む。清水エスパルスはヴァンフォーレ甲府、大宮アルディージャはセレッソ大阪と、ともにホームで対戦。清水エスパルスが勝ち点3差で大宮アルディージャをリードし、得失点差は同じとなるため、大宮アルディージャが勝利し、清水エスパルスが敗れた場合のみ、逆転で大宮アルディージャが残留する。

最終節までもつれた優勝争いと残留争い。混戦のJリーグについて、セルジオ越後氏に話を聞いてみた。

Jリーグの終盤戦が佳境だ。J1の優勝争いは、第33節で浦和が鳥栖に土壇場で追いつかれ、G大阪が勝利したことで、順位が逆転。1位G大阪、2位浦和、3位鹿島の三つ巴で最終節を迎えることになる。

鳥栖の劇的な同点弾の翌日には、J2のプレーオフでさらにドラマチックな展開が待っていた。引き分けで決勝進出の磐田に対し、山形がロスタイムに、GK山岸のゴールで勝ち越したのだ。これは世界でも稀に見る幕切れだった。

Jリーグの終盤は、いつも混戦になる。20年経っても実力的にビッグクラブが出てこない、どこが勝っても落ちてもおかしくない、つまりリーグ自体が未成熟であることは批判の一因だけど、だからこそとんでもない混戦が生まれ、終盤が面白くなるという面もあるね。それにしても、J1昇格プレーオフはファン層の拡大を目指して作られたもののはずだけど、既存のJリーグファン以外に山岸のゴールに反応している人はどれだけいるだろうか。あの試合はどこにチャンネルを合わせたら視聴できるのだろうか。こういった試合をもっとうまくPRに活用する方法もあると思うのだけどね。

来季からJ1は2ステージ制になる。改革の第一歩が踏み切られるわけだけど、それ以外にも気になるニュースが入ってきている。一つは、外資の導入でクラブ間競争をさらに活性化させようというもの。もう一つはクラブ分配金の見直しだ。

前者については、個人的に賛成だ。資金繰りに苦しみ、キャスティングがシュリンクしている現在のJリーグに、外資がどんな風を吹かせてくれるのか期待したい。プレミア化を推進するのであれば、避けては通れない道だろう。問題は、今現在、外資にとって資本を投入するにたる魅力的なリーグであるかどうかというところだ。僕がマーケターなら、簡単に首を縦に振れないね。

後者は、分配金に差をつけることによってビッグクラブを作ろうとすることが狙いだ。それによってJリーグの幹となる、アジアを牽引するようなクラブが生まれ、キャスティングボードが充実するようになればそれ以上のことはない。ただし、そもそものところで、トータルのお金のうち、何割がJリーグ本部の懐に入っているかが見えにくいのが問題だ。先のライセンス制度の導入しかり、分配金に差をつけることで、弱者にとって厳しい措置になると言われているけど、そもそも本部がいくら儲けているのか、という点についてはメディアももっと厳しい目を向けてほしいね。

セルジオ越後氏の言葉にもあるが、J1は来季から2ステージ制に変更。見逃せない最終節が間もなくキックオフの時を迎える。

セルジオ越後のサッカー日本代表論まとめ

OneNews編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAに所属。『ウォーカープラス』編集長を卒業後、動画の領域でウォーカー、レタスクラブ、ザテレビジョン、ダ・ヴィンチを担当。2022年3月に無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」をスタートし、同年9月、「OneNews」創刊編集長に就任。

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