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2014年ツール・ド・フランス第2ステージ 我こそがナショナルチャンピオンなり

宮本あさか自転車ロードレースジャーナリスト
誇り高きイタリア王ヴィンチェンツォ・ニバリ。Photo:Jeep.VIDON

イタリアチャンピオンが英国で勝利を手に入れた。それにしても緑赤青のイタリア色が目立たず、カザフスタンの水色がやけに目に付く不思議なジャージだ。ヴィンチェンツォ・ニバリ本人も「全身トリコローレカラーのジャージの方がそりゃあいいよね。ボクがイタリアチャンピオンだ、と遠くからでも分かるから」と、少々がっかりしているらしいのも当然だろう。

まあ、ただ、どこのチームも、スポンサーとの兼ね合いには苦労させられている。ペテル・サガンのスロヴァキアチャンピオンジャージも、よくよく目を凝らさないと、分からないし……。レースレポートを書く側の記者としては、「もっと目立つジャージを着せてくれ!」と、正直思う。

その点、6月まで新城幸也が来ていたどでかい日の丸ジャージは、どこからでも一瞬で見分けられる優れものだった。3年連続フレンチチャンプを輩出しているFDJの、完全なる青白赤フレンチトリコロールジャージも分かりやすい。大胆なスポンサー名はレーシングパンツに入っているだけで、上半身ジャージからは一切のスポンサーロゴを排除。「スポンサーはナショナルチャンピオンにもっと敬意を払うべきだ」と、チーム監督のマディオが頑固に理念を貫き通した結果である。

そんなわけで2014年ツールにはフランス(ロード&個人TT)、スペイン(ロード&個人TT)、イタリア(ロード)、オランダ(ロード&個人TT)、スイス(ロード&個人TT)、ドイツ(ロード&個人TT)、オーストラリア(ロード)、ポーランド(個人TT)、ポルトガル(ロード&個人TT、同一選手)、ロシア(ロード)、ルクセンブルク(ロード)、カナダ(ロード&個人TT、同一選手)、スロヴェキア(ロード&個人TT)、チェコ(個人TT)、リトアニア(個人TT)、ラトヴィア(個人TT)のチャンピオンたちが走っている。

肝心なイギリスはロード(ピーター・ケノー)、個人TT(ブラッドリー・ウィギンス)ともに欠場で、初日2日間で詰め掛けたという500万の英国ファンはさぞかしがっかりしたことだろう。それにしても、みなさん、観戦にあまりに夢中なものだから、屋台は意外なことにガラガラで、フィッシュ&チップスの臭いが辺りに充満するばかり。

photo:Jeep.VIDON
photo:Jeep.VIDON
自転車ロードレースジャーナリスト

フランス・パリを拠点に、サイクルロードレース(自転車競技)を中心とした取材活動を行っている。「CICLISSIMO」「サイクルスポーツ」誌(八重洲出版)、サイクルスポーツ.jp、J SPORTSサイクルロードレースWeb等々にレースレポートやインタビュー記事を寄稿。

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