高収入でも貯蓄ゼロに!マネーリテラシー磨きで家計のピンチを乗り越える

将来の計画を立てるには、家族のコミュニケーションが大切(ペイレスイメージズ/アフロ)

 学校の教科にはなかったけれども、知っておくと人生を送るのに役立つ学びというのがいろいろあると思います。「パーソナル・ファイナンス(個人の財務)」もそのひとつであることは間違いありません。マネー情報に対するアンテナを張り、知識を蓄えていくことで、予期せぬ家計のピンチに襲われても乗り越えられる対応力がつくでしょう。軽い運動でも毎日続ければ、高齢になってからも元気でいられる基礎体力がつくようなものです。

 人生で役立つパーソナル・ファイナンスの範囲は、暮らしのなかで生ずる経済問題に関することなら何でも含まれると考えます。現代社会に暮らす私たちにとって、「お金」は水や空気のように生きていく上で不可欠のもの。日々の生活に使うのはもちろん、人生のあらゆる局面でお金の問題が絡んでくるわけですから、パーソナル・ファイナンスは習得の優先順位が高い学びであるはずです。もし家計に大きな問題が生じた場合、その問題に関する基礎知識があれば解決に向けて適切な判断ができるでしょう。有効な手段は何か、使える公的な制度はないか、専門家の知恵も借りるべきか、など。

 暮らしに関係するお金の範囲はかなり広いですが、学んだ知識を使いこなせるようにする、すなわち「マネーリテラシー」を磨いていくことが今後の人生設計に役立ちます。

3割の世帯が貯蓄ゼロ

 誰にも、またどの家庭にも、これから先に予定している計画(ライフプラン)があるでしょう。その計画を無事クリアするためには資金的な裏付けが必要ですから、上手く資金調達できるかどうかがカギとなります。

 資金調達方法の第一は「働く」ことによる収入。しかし、収入を意識的に管理しないと、なし崩し的に支出に回ってしまうのが常です。金融広報中央委員会が毎年行う『家計の金融行動に関する世論調査「二人以上世帯調査」 』の平成29年調査結果を見ても、金融資産非保有世帯が31.2%で「3割の世帯が貯蓄ゼロ」となっています。

 低所得で貯蓄する余裕がない世帯とばかりは言えません。中間所得層の年収500万円~750万円世帯の24.3%、4世帯に1世帯が貯蓄ゼロです。早急に貯蓄できる家計に立て直さないと、先に控えているライフプランが危うくなります。

 驚くことに、年収1000万円~1200万円の世帯で11.5%、年収1200万円以上の世帯でも9.9%が貯蓄ゼロ世帯なのです。入ってきただけ使ってしまっている結果です。このまま高収入が続けば言うことはありませんが、多くのケースではリタイア期を迎えて収入がダウンしていきます。気がつけば老後資金の準備期間がないといった爆弾を抱えたまま、時間が過ぎていくことになりかねません。

単年ではなく「10年間」を考える

 貯蓄ができない家庭に見られる傾向として、現在の収入で赤字にならないから今後も家計が回るかのような錯覚があります。単年での家計収支しか見ていないということです。しかし、時間軸(現在から未来へ経過していく時間の流れ)で家計の推移をつかんでおくことがとても重要です。つまり、これから世帯収入はどう増えていき、いつ頃ダウンしていくことになるのか。また、ライフプランがいつ発生し、その支出額はいくらくらいになりそうか。そのために資金準備するには、毎年いくら貯蓄すべきか、などの青写真を描いておくことです。年表式に書き出してみるとわかりやすいでしょう。

 時間軸でお金の流れを考えることは、多くの人が苦手とするところでもあるのですが、まずは向こう10年間の家計を予測することから始めてみましょう。その青写真があると、予期せぬ状況が訪れてもどのような対策で計画を立て直せるかの手がかりとなり、ピンチに強い家計になります。具体的なやり方を、追々お伝えしていきたいと思います。