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デフサッカーのアジア選手権が開幕!

荒木美晴フリーランスライター
デフサッカー日本代表がアジア選手権に挑む!=アルビンスポーツパーク(筆者撮影)

聴覚障がい者のサッカー・デフサッカーの国際大会「第4回アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会」が韓国・昌原(チャンウォン)で開幕し、25日から試合が始まる。男子は9チーム、女子は3チームがエントリー。日本代表は男子・女子ともに出場している。

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デフサッカーをはじめ、聴覚障がいの競技はパラリンピック種目には採用されておらず、4年に一度のデフリンピックが最高峰の大会とされる(次回は2021年)。加えて、デフサッカーは同じく4年に一度、ワールドカップ(W杯)が開催されており、今大会は2020年W杯の出場権をかけた重要な位置づけとなっている。

デフサッカーのルールは、基本的には一般のサッカーと同じ。国際大会の出場資格は、両耳の聴力レベルが補聴器を使用しない状態で55デシベル以上と定められ、選手は競技中は補聴器を外すことが義務付けられている。ピッチ上のコミュニケーションでは手話も使用する。また、審判はジャッジの際にホイッスルとフラッグの両方を使用するため、選手は視覚でも状況を確認することができる。

合宿では入念にセットプレーの確認を行った(筆者撮影)
合宿では入念にセットプレーの確認を行った(筆者撮影)

快晴に恵まれた22日、日本代表が千葉県で直前合宿を行っていると聞き、男子の練習グラウンドに足を運んだ。前日の21日には、VONDS市原Vertとの練習試合を実施。セットプレーやPKで0-2で敗れたものの、シュート数では上回っていたといい、この日の練習ではシステムの確認とシュート練習に取り組んでいた。

今回の代表メンバーに選ばれたのは20名。その半数が昨年のデフリンピック(トルコ)を経験しているメンバーだ。一方で新人選手も多く、植松隼人監督は「トルコのメンバーが積極的に自身の経験を後輩に伝えてくれれば」と話す。

今回のメンバー選考基準は「自主性を持った選手」だと、植松監督は明かす。これまでの合宿でも、どう自分たちの色を出し、どう戦うかという“選手からの意思表示”を求めてきた。今大会では、エース背番号「10番」をあえて不在にし、試合ごとのゲームキャプテン制にしたのも、監督やコーチの指示を待つのではなく、「全員がゲームメーカーになれ」という期待の表れだ。

システム確認の練習のひとこま。植松監督も手話を使って説明する(筆者撮影)
システム確認の練習のひとこま。植松監督も手話を使って説明する(筆者撮影)

選手自身がゲームコンセプトを考え、練習でも闘志を燃やすうちに、プレー中の状況判断の質が向上してきたという。合宿でも、選手間で手話やジェスチャーで積極的に対話する場面が見られた。「ピッチ上でベストの選択ができるようになってきた。これを積み重ねてW杯やデフリンピックにつなげたい」と、植松監督は言葉に力を込める。

今大会をさらなる成長と飛躍の足掛かりにできるか。彼らの躍動に注目したい。

フリーランスライター

1998年長野パラリンピックでアイススレッジホッケーを観戦。その迫力とパワーに圧倒され、スポーツとしての障がい者スポーツのトリコに。この世界の魅力を伝えるべく、OLからライターへ転身し、障がい者スポーツの現場に通う日々を送る。国内外における障がい者スポーツの認知度向上と発展を願い、2008年に障がい者スポーツ専門サイト「MA SPORTS」を設立。『Sportsnavi』『web Sportiva』などスポーツ系メディアにも寄稿している。パラリンピックは2000年のシドニー、ソルトレークシティ、アテネ、トリノ、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオ大会を取材。MA SPORTS代表。

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