国枝が全豪で単複8度目Vの快挙!「今年もグランドスラム制覇をめざす」

メルボルンで開催されている全豪オープンテニス。31日には車いすの部男子シングルス決勝が行われ、第1シードの国枝慎吾(ユニクロ)が第2シードのステファン・ウデ(フランス)を6-2、6-2で下して優勝した。

国枝は2007年から全豪オープンに出場。右肘のケガのため欠場した12年を除いて連続出場しており、そのすべての年でシングルス、ダブルスともにチャンピオンに輝いている(2007、08、09、10、11、13、14年)。今大会はウデと組んだダブルスも制しており、実に単複それぞれ3年連続8度目の優勝を達成。テニス史上に残る偉業を成し遂げた。

大会後、国枝はビッグトーナメントを振り返り、「大会を通して調子が良かったので、プレーにも満足しています」。昨年は4大大会すべてで優勝する年間グランドスラムを達成しており、「今年もグランドスラム制覇をめざします」と力強いコメントを寄せてくれた。

成長し続けるチャンピオン

国枝が初めて世界ランキング1位になったのが2006年10月。それ以降、先に述べた年間グランドスラム達成、北京・ロンドンパラリンピックの2連覇達成など、長きにわたり車いすテニス界をけん引する。現在も世界ランキング1位を独走中で、まさに車いすテニス界の”顔”である。

だが彼は、そうした現状にも慢心しない。あくなき向上心でプレーを磨き続ける。昨年は、車いすと身体をうまく連動させるカギとなる体幹を徹底的に鍛えあげた。今年の2月に31歳を迎えるが、その力は衰えるどころか年々パワーアップしており、今大会の準決勝で対戦した21歳のグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)ら台頭する若手選手の前に、大きな壁となって立ちはだかっている。

近年の車いすテニス界、とくに男子は、車いすの高さを上げて、高い打点からボールを打ち込むパワーテニス時代に突入している。そんななか、国枝は持ち前のスピードで勝負している。彼を支えているのが、世界一といわれるチェアーワークだ。誰よりも走り、誰よりもボールを返して、試合の主導権を握るのが国枝流だ。

昨年の全仏オープン前に取材した際、車いすの高さを気にしないわけではない、と正直な気持ちを吐露しつつも、あくまでも「自分の感覚やバランスが失われない程度」に調整するようにしている、と教えてくれた。その後、国枝は全仏と全米で優勝。見事な変化適応力の高さを見せつけた。技術の高さはさることながら、自分の可能性を追求するこのブレない姿勢に、「王者」たる風格を見ることができる。

今年のテーマは「スケールアップ」

昨年のアジアパラ競技大会(韓国)で優勝し、すでに2年後のリオデジャネイロパラリンピックの出場権を獲得している国枝。今年は、パラリンピック3連覇に向けた準備が本格的に始まる。その意味でも、今大会の優勝はとても意義のあるものだったと言えるだろう。

「今年のテーマは、スケールアップです」と国枝。

絶対王者が、果たしてどんな飛躍を見せるのか。今年も“世界のクニエダ”から目が離せない。