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恋愛弱者でも恋愛や結婚「できる者」と「できない者」とを分けるその差はどこで生まれるか?

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
(写真:イメージマート)

弱者なりの戦い方

恋愛強者3割の法則について、この連載上で何度か記事化しているが、だからといって、恋愛強者じゃなければ結婚できないということはない。既婚者が全員恋愛強者であったはずはないのである。

その件については、こちらの過去記事で解説している。

恋愛弱者の「恋愛力下剋上婚」の割合はどれくらいか?実際の夫婦調査から

恋愛弱者の既婚者は弱者なりの戦い方をしている。圧倒的に戦力差のある恋愛強者たちのいる戦場にただやみくもに突撃したところで玉砕するだけだからだ。

孫子いわく「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

戦う前の情報収集こそが大事なのだ。つまりは、まず自分の戦闘力、長所・短所を把握することから始めないといけない。

戦う相手は強者ではない

とはいえ、3割の恋愛強者と自分との違いをいちいち比較してもあまり意味はない。すべての部分において、恋愛強者は弱者を上回るからである。大体、恋愛強者を敵にしたところで勝てるわけがないのである。恋愛強者男性がウヨウヨいるマッチングアプリで勝負したところで、話にならないことは、恋愛弱者男性は経験済みではないだろうか。

同様に、割と多くが勘違いしていて、見ていて気の毒になるのが、世の中にあまたある婚活や恋愛系の「モテるノウハウ」みたいなものも全く役に立たない。一流のモデルが直用している洋服を頭の先からつま先まで真似たところで、凡人がモデルになれるものではない。

恋愛弱者が向き合うべきは恋愛強者ではないし、戦うべき相手は、同じレベルの恋愛弱者なのである。そして、重要な気づきは、恋愛弱者の中でも、恋愛や結婚ができる者とできない者と差があるということであり、同じ弱者同士でどこが違うのかを知ることなのである。

要するに「私もあの人も同じようなレベルなのに、なぜあの人は恋愛ができて、自分にはできないのか?」を深掘りするのだ。

20-30代恋愛弱者男性の違い

20-30代の未既婚者のうち、恋愛弱者の7割を抽出し、さまざまな能力や充実度、及び意識や行動の違いについて差分でグラフ化したのが以下である。

グラフの右側に伸びている場合は未婚の弱者より既婚の弱者の方が割合が多いということである。つまり、右側に伸びているレベルが大きいほど、「恋愛弱者が結婚するために注力すべきポイント」であることになる。

反対に、左側に伸びている部分が大きければ大きいほど、恋愛弱者が恋愛相手を得るためにはもしかしたら捨ててもいいものということになる。

まず、男性を見てみよう。

能力的には、恋愛弱者でも「運動能力」が高い方が結婚できている。ここでいう「運動能力」とは、スポーツ経験値である。学生時代スポーツ系の部活をやっていたり、社会人になっても何かしらの運動やスポーツを継続していることである。特に、中学・高校時代にどんなスポーツ系の部活をやっていたかどうかで既婚率は大きく影響する。

中学・高校時代、なんの部活動だったかで将来結婚できるかどうか決まるかもしれない問題

ただし、能力的な部分より、もっとも未婚との差が大きいのは「仕事の充実度」「友人などの人間関係の充実度」である。年収など「経済力の充実度」も確かに未婚と比べれば大きいが、実際にどれだけ稼いでいるかよりも、現在の仕事に充実して取り組めているか、の方が大きいのだ。

恋愛の前に仕事の充実を

まとめると、男性に関しては、優先度が高い順に「仕事の充実」「友人関係の充実」「運動能力」「計画性」「経済力の充実」「コミュ力」「協調性」という順番になっている。意外にも「知性」や「行動力」などには対して大きな差はない。

しかし、だからといって「知性」や「行動力」がなくても恋愛できるということではないので注意が必要である。

あくまでこれは恋愛弱者同士の比較だから差が出ないだけであり、恋愛強者との比較をすると、この「知性」や「行動力」は埋められないほどの大きな差がある。

つまり、そこで勝負しても勝てる見込みはないのだから、あえてそこは捨てて、まずは仕事と友人関係を充実させること。加えて、筋トレでもなんでもいいので何かしらスポーツに打ち込むことが肝要なのではないかと思われる。

写真:イメージマート

但し、あくまで、結婚したいと思っている男性は、だ。結婚するつもりもない選択的非婚者はこの記事など無視していただいて構わない。

もっとも未婚に影響する要素

さて、ひとつだけ左側に大きくせり出している項目がある。未婚の恋愛弱者に顕著な割合の項目ということになるが、あえてふせている。

これが何かおわかりになるだろうか。

写真:アフロ

これは「オタク趣味がある」という項目なのだ。

つまり、20-30代未婚の恋愛弱者で恋愛や結婚に発展しない大きな要素は「オタク趣味」にあるということになる。

しかし、だからといって「オタク趣味」を辞める必要はない。こちらの記事(不幸度の高い中年未婚男性~恋愛よりも高年収よりも幸福感を得られること)にも書いたように、何かしら没頭できるオタク趣味を持っていることは、「恋人がいる」ことや「年収500万円以上稼ぐ」ことと同等の幸福感を得ているのである。

オタクの活動で幸福ならば、わざわざそれを捨ててまで恋愛や結婚する必要などない。

そして、これは「既婚男性にオタクがいない」ということを意味するものではない。既婚者にもオタクはいるし、独身時代にオタクだった者も多数いる。

が、結婚して子どもが生れてしまうと、彼らの興味関心が家族の幸せに集中し、子どもや家族のためにならどんなに時間やお金を使っても惜しくはないという、いわゆる「家族オタク」に変わってしまうのだ。

写真:アフロ

今回は、初婚の大部分を占める20-30代だけに限定したが、40-50代で比較するとまた違った面が出てくる。それは別の機会に記事化したい。

また、これの女性版もあるが、それは次回にて。

続き

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独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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