新計算式で変わった生涯未婚率

前回の記事(【国勢調査】不詳補完値の正式採用により、2020年の生涯未婚率は男28.3%、女17.8%へ)の続編。

生涯未婚率(50歳時未婚率)を不詳除く従来までの計算方法から不詳補完値に基づく新計算式に変更すると、全国値だけではなく、当然各都道府県の値も変わる。都道府県によって、ほぼ大差ないところもあれば、大きく変わるところもある。

今回は、不詳補完値による生涯未婚率の男女別都道府県ランキングをご紹介する。

従来方式のランキングはすでに過去記事において紹介している。それはそれで過去からの推移をみる分には重要な指標でもある。また、今回の不詳補完値との差を見比べてみるのもおもしろいと思われる。

従来方式計算による都道府県別2020年の生涯未婚率ランキングはこちら

「男の未婚の多い東日本、女の未婚の多い西日本」生涯未婚率の男女地域差

不詳補完値による都道府県ランキング

不詳補完値に基づく生涯未婚率都道府県ランキングし以下の通りであ。従来の計算方式によるトップ10の都道府県をオレンジ色で表示した。備考欄に、不詳補完値のトップ10の従来計算方法との順位変動も記載している。

大都市ほど多い不詳未婚

男女とも東京が1位となった。

男性に関しては、東京だけではなく、神奈川、埼玉、千葉という首都圏が上位4位までを独占した。そして、その4つともほぼ30%である。これは、年齢不詳や配偶関係不詳の割合が、都市部ほど多いことによる。

写真:イメージマート

不詳の振り分けは、ホットデック法、コールドデック法などによるが、生涯未婚率対象年齢の45~54歳に関しては、不詳のうちの6割が未婚に振り分けられている。よって、不詳人口が多ければ多いほど、従来の計算方法による未婚率よりも高くなってくるというわけだ。首都圏以外では、大阪などの大都市も順位をあげているのはそれによる。

一方、女性は、従来方式のトップ10と大きく順位の変動はなく、トップ10の中で多少の入れ替えがある程度だ。

前回、従来方法のランキングで女性は高知が1位になったことで、各種メディアで話題になったが、不詳補完値では東京にトップの座を譲ったことになる。

ちなみに、東京の女性の23.8%とは、5年前の従来方式による男性の全国生涯未婚率とほぼ同等である。東京の女性の未婚化は大きく進行しているといえる。

東京は地獄か?天国か?

東京に関していえば、男の3人に1人、女の4人に1人は生涯未婚ということだ。こちらの記事(日本の人口移動は若者によって決まる~東京圏からの人口流出など起きていないという事実)で、東京人口一極集中は止まらないという話をしているが、今後も東京集中が進むことで未婚率は増えるだろう。

東京では「未婚のアリ地獄」にはまるという見方もできる反面、これだけ多くの未婚者がいる東京では、たとえ結婚しないで独身のままでいても気ままに暮らせる「未婚天国」であるともいえる。

写真:アフロ

かといって、地方にいけば劇的に既婚率があがるというわけでもなく、全体的に未婚化は進んでいるわけで、私が「結婚滅亡」というタイトルの書籍を上梓することが、あながち適当なことを書いているわけではないとお分かりいただけると幸いである。

前回の時も述べたが、首都圏と大阪以外でいえば、男性は東日本、女性は西日本エリアの未婚率が高い傾向は、不詳補完値を使ったとしても一緒である。

福井、滋賀の両県が男女とも未婚率最下位グループに位置することも一緒である。勘違いしてはいけないのは、これは有配偶者がこの両県に住む割合が高いという結果論の話であって、福井や滋賀に住めば結婚しやすいということではない

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