婚活もマーケティングである

商いにはマーケティングが必須である。そもそも人のいない場所でいくら商売をしても売れるわけがない。また、ターゲット設定も大事である。高齢者しかいない田舎で若者向けの店を出しても売れない。

ある意味、婚活もマーケティングと一緒である。

前々回の記事 結婚したくても、340万人もの未婚男性には相手がいない「男余り現象」の残酷はおかげさまでたくさんの方に見ていただき、反響も大きかった。

ところで、あの記事の最後は以下のような言葉で締めている。

こう書くと、未婚女性は全員結婚できそうなものだが、現実はそう簡単にはいかない。男余りにも関わらず、婚活女性がマッチングしない現象については、別の機会に記事にしましょう。

今回はまさにその解答のひとつとなるお話を前後編に分けてしようと思う。

婚活女子が愚痴る「男がいない」理由

未婚男女の人口差をみれば、340万人の男余り。これは事実である。全人口の差分ではない。あくまで未婚男女の人口差である。しかし、特に女性はそれをにわかには信じられないという方も多いと思う。

たとえば、婚活の現場にいるアラサー女子からはこんな声も聞かれる。

「男余りと言われても実感がない。婚活パーティーに行っても、男性の方が少ないし、場合によっては女子会になることもある」

写真:maruco/イメージマート

実は、これもまた事実である。未婚者の人口差では340万人以上も男の数が多いというのに、なぜそんな事態になってしまうのだろうか?

それは、未婚男女は年代によって結婚意欲に大きなズレがあるからだ。ここで前回の記事を思い出してほしい(デマではないが正しくない。「結婚したいが9割」という説のカラクリ)。

「結婚したい男女は9割説」は正しくない。正確には、18~34歳未婚者でいえば、結婚に前向きな割合は男4割、女5割程度しかいないという事実を提示した。男女と1割の差がある。この1割の男女差が、婚活現場での女性の実感につながっている。

2015年出生動向基本調査に基づき、より詳細に年代別での結婚前向き度の男女差を見てみよう。アラサー年代の結婚前向き(1年以内に結婚したい+理想の相手ならしてもよい)率を算出すると、20~39歳までの年齢では、すべて女性のほうの結婚意欲が高いことがわかる。25~29歳では男51%・女67%、30~34歳では男64%・女73%と、それぞれ大きな差がある。

つまり、未婚者の絶対数では「340万人の男余り」だが、結婚意欲に関しては女性のほうが上回っている。いかに未婚男性の人口が多いとはいっても、結婚する意欲がない相手では結婚の対象にはなりえない。

結婚前向き人口で見ると男女逆転する

この結婚前向き度の違いを、結婚適齢期といわれる20~34歳までの未婚男女の人口差にあてはめてみよう(人口は2015年国勢調査結果を使用)。確かに、単純な未婚男女の人口差では、99万人もの男余りである。しかし、結婚前向き度の違いを乗じると、なんと男女逆転してしまう。結婚したい人口は男299万人に対して、女308万人と、約9万人の女余りとなってしまうのである。

20代だけに限ると、未婚人口差では55万人の男余りなのに対して、結婚前向き人口で考えると25万人も女余りになるということだ。これが、男余りといいながら、実際の婚活において女性が苦労する要因なのである。

しかし、だからといって悲観することもない。実際既婚男性に対して、独身時代に結婚に対しての前向きだったかどうかを調査したところ、案外前向きではなかった割合が半数程度存在する。結婚に至る直接のきっかけはそれぞれだが、そもそも婚活の現場で出会っているとは限らないし、結婚した相手が必ずしも当時結婚に前向きな相手だったとは限らない。

逆にいえば、「結婚するつもりのない男」をどうやってその気にさせるか。それが成功した女性が結婚しているともいえる。

結婚という現実は「待っている」だけではやってこないのだ。

引き続き、後編では、結婚前向き度を加味して未婚男女の人口差が都道府県別にどれくらい違いがあるのかを明らかにしてみたい。

後編はこちら↓

男余りなのに、婚活現場に「男がいない」のはなぜ?【後編・都道府県編】

※記事内のグラフの無断転載は固くお断りします。