トルコ軍がイドリブ県でシリア軍ヘリを撃墜、対するロシア軍はトルコ軍部隊を爆撃

(写真:ロイター/アフロ)

トルコ軍がシリア軍ヘリコプターを撃墜

イドリブ県では、国営のシリア・アラブ通信(SANA)によると、シリア軍ヘリコプター1機が12日午前11時30分頃、M4高速道路沿線のナイラブ村およびクマイナース村上空で地対空ミサイルを被弾し墜落、乗組員1人が死亡した。

シリア軍ヘリコプターを撃墜したのはトルコ軍で、英国に拠点を置く反体制系NGOのシリア人権監視団によると、死者は1人ではなく、操縦士2人(大佐と大尉)、「樽爆弾」を投下する爆撃手1人の合わせて3人だという。

アル=カーイダと自由シリア軍の混成部隊がトルコの砲撃支援を受け、イドリブ県ナイラブ村を一時奪還

シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構、トルコが後援する国民解放戦線(国民軍、いわゆる自由シリア軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコ軍の砲撃支援を受けて、ナイラブ村に侵攻、シリア軍との戦闘の末に11日午後に同地を制圧したが、シリア軍が反撃しこれを奪還した。

シリア軍も早朝にシャイフ・ダーミス村に進攻し、「決戦」作戦司令室との戦闘の末に同地を一時制圧したが、「決戦」作戦司令室はほどなくこれを奪還、シリア軍兵士1人を捕捉した。

ロシア軍がM4高速道路沿線を爆撃、トルコ軍ヘリコプターが負傷者をトルコに搬送

ロシア軍戦闘機は、トルコ軍と「決戦」作戦司令室が攻勢を強めるナイラブ村一帯やトルコ軍が展開するクマイナース村などM4高速道路沿線一帯を爆撃した。

この爆撃でが死傷が出て、トルコ軍ヘリコプターが負傷者をトルコ本国に搬送した。

死傷者がトルコ軍兵士なのか、「決戦」作戦司令室の戦闘員なのかは不明。

シリア軍戦闘機もカフルナブル市、クマイナース村一帯、ビンニシュ市、カファルヤー町、フーア市、イドリブ市、サルミーン市を爆撃、ヘリコプターも同地などに「樽爆弾」を投下した。

このうち、イドリブ市に対する爆撃は、工業地区、ジャラー地区に対して行われ、子ども6人を含む12人が死亡、少なくとも32人が負傷した。

なお、トルコ国防省はイドリブ県での戦闘に関して声明を出し、シリア軍兵士51人、戦車2輌、対空砲1基、武器庫1棟を無力化したと発表した。

シリア軍がM5高速道路全線を掌握、バーブ・ハワー国境通行所に至る街道を寸断

アレッポ県では、SANAによると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する攻撃の末、ハーン・アサル村、アレッポ市西部郊外のラーシディーン第4地区を制圧した。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍が2012年以来初めて、M5高速道路全線を奪還したと発表した。

同監視団によると、シリア軍はまた、アレッポ市とイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を結ぶ街道を寸断することに成功した。

バーブ・ハワー国境通行所は、国連安保理決議第2504号(2020年1月11日)でバーブ・サラーマ国境通行所とともに、クロス・ボーダーでの人道支援が認められている通行所。

ロシア軍戦闘機はアレッポ県でもトルコ軍を爆撃

一方、ロシア軍戦闘機は、アレッポ県北西部のイッビーン村方面に向かおうとしていたトルコ軍の車列を爆撃した。

ロシア軍戦闘機はまた、トルコ軍が拠点を設置したアレッポ市西部郊外にある第46中隊基地、アターリブ市、アブザムー町、アウラム・クブラー町、マンスーラ村、カフルハムラ村、カフル・ヌーラーン村一帯に対しても爆撃を加えた。

トルコ軍はアレッポ県に新たな拠点を設置

シリア人権監視団によると、トルコ軍の戦車、大型トレーラーなど200輌以上からなる増援部隊がイドリブ県カフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに入り、M4高速道路沿線やアレッポ県イッビーン村方面に向かった。

トルコ軍部隊はアターリブ市とジーナ村を結ぶ街道に新たな拠点を設置したという。

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(「シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢」をもとに作成)