あなたは知ってた? 今日から施行される“女性にまつわる法律”とは

今日から女性は“働きやすく”なる!?(写真:アフロ)

■法律には必ず従いましょう

今日は4月1日ですが、エイプリルフールのネタではありせん。さて、新入社員の皆様おめでとうございます。そして異動された方、転職された方もおめでとうございます。心機一転、色々とがんばりましょう。さて、東京は、今週末が桜の見頃になるらしく、名実共にもう春でございます。そんな4月1日ですが、今日から変わる法律や税金などがあるって知っていますか?

私の専門であるCSR(企業の社会的責任)でも、そうでない一般の方でも関わってくる法律が4月1日より施行されました。それが「女性活躍推進法」(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)です。女性活躍推進法とは、労働者301人以上の大企業は、女性の活躍推進に向けた行動計画策定や数値目標設定が新たに義務づけられることとなる、という法律です。日本に1万5千社あると言われる大手企業が対象になります。法律は成立時は話題になるものの、施行日は実はあまり注目されなかったりします。施行後が重要なのにね。

そこで情報開示してと言われているのが「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」というヤツなのですが、大手企業各社が工夫してウェブなどで開示しています。というわけで本記事では、法律解釈ではなく、現実問題として企業においてどのような女性活躍推進が行なわれているか統計・調査結果を紹介します。

ちなみに「女性活躍推進法の施行」以外に今日から変わる大きなことは、「ディズニーランドのチケット値上げ」、「食卓塩・たばこ・ガリガリ君などの値上げ」、「電力小売自由化」、「社会保険料の値上がり」、「障害者差別解消法の施行」、「法人事業税・法人実行税率の増減」、などです。文末に参考リンクを貼っておきますので、詳しく知りたい方はチェックしてみてください。というか、結構変わるね…。

■企業と女性の現状

さて、そもそも女性活躍推進ですが、現・安倍内閣において注力されてきた領域です。ここ数年で、法整備を含めてかなり進んできた印象があります。

では実際にどれだけ企業側に浸透したのか。詳細は厚生労働省の2月29日にオープンした「女性の活躍推進企業データベース」をごらんいただきたいのですが、本日現在、約2,200社が登録しているようです。対象が1万5千社ですので、2割に満たない企業しか登録されていないようです。

ただし、サイト側では昨日までの〆切に駆け込みで登録してきた企業が多いのか「現在、新規登録が大変集中しており、ご迷惑をおかけしております(最短で約2週間要しております)。いただいた順に随時データベースに反映してまいりますので、どうぞご理解をよろしくお願いいたします。 」なんていう注意書きがあります。大手企業のプレスリリースを見ていると3月後半に行動計画を発表した所も多いし、予測できたことではあります。

それを考慮しても、まがりなりにも女性活躍推進法は法律でして、大手企業で“対応できません・間に合いません”は通じない気がしますが…。当記事を読んでいて、心あたりがある人は、ぜひ担当者にプッシュしてみてください。

これらのデータを直近で使って役に立ちそうなのは就活生でしょう。今、就職活動中の女子学生は特に注目すべきだと思います。今までCSR情報(人・労働関連情報)って横並びにして比較ができなかったのですが、これができるようになったのは非常に意義深いです。女子学生がキャリアを考える上で、今後、重要な企業分析ツールになることは間違いないでしょう。

では、女性活用においての現状はどうか。2つほど、データを紹介させていただきます。

女性活躍推進法について、89%が知らないと(「全く知らない」・「あまり知らない」と合わせて)回答。女性活躍推進法に「期待していない」63%、「期待している」30%。女性が働きやすい求人や企業が増えるという声も聞かれるが、54%が「法律ができただけでは何も変わらない」と回答。

出典:「女性活躍推進法」を“知らない”89% ~働く主婦にアンケート調査~ 2016年4月施行まであとわずか!

ネガティブな回答が多いようですが、「女性の働きやすい求人が増える」、「女性の働きやすい企業が増える」等、働きやすい環境の実現を期待する声もあるようです。また、企業側から女性従業員に対して情報開示が進んでいない現状も推測されます。今日の法律施行によって、少しずつでも進むことを期待します。

女性活躍社会の実現とはチャンスだけでなく、「スーパーウーマンになれ」との責務と感じる人が少なくないようだ。女性活躍と聞き「自分も活躍したい」と思う人より「都合良く女性を持ち出され、不快」という人が多い――。調査からはこんな状況が分かる。専門性を生かした短時間勤務を望む主婦は多いが「子どもの長期休みや病気に対応できない」との声が目立つ。「育児を平等に分担したいが、夫の協力は1%くらい」(40代)という人もいた。

出典:「スーパーウーマンばかりじゃない」 大卒主婦のホンネ

先月に行なわれた日経の大卒以上の学歴を持つ20代から40代の主婦調査では、「女性活躍と聞いてどう思うか」という設問に、72.9%の女性は「懐疑的・否定的」だったとしています。また6割が「今の生活は自分の学歴やキャリアに見合っていない」と感じているとしており、専業主婦や扶養範囲内の人にとって「女性活躍」は身近なものではないようです。

「女性活躍推進」は、本当に女性のためになっているのか。企業や地域によって事情が異なるのはわかりますが、まだまだ形だけの現状も多そうです。法律施行によって、ポジティブな変化が起こっていくのでしょうか。

■女性にまつわる統計・調査データ

社会全体の現状、企業側の意識、政府の目標値とのギャップが大きい、というのはご理解いただけたと思いますが、より細かいデータや動向がないと、女性活躍推進の現状が見えないと思ったあなた。安心してください、ほかにも調査データがありますよ。

女性管理職の政府目標、「可能」1割…読売調査

男性管理職のアンケート意識調査(1) ―定時以降の労働を許容する男性管理職―

「女性管理職が多い」と社員が回答した企業ランキング 第一生命、IBM、ANAを抜いたTOP3企業は・・・?

パソナキャリア 「女性の雇用・登用に関する企業調査」結果を発表 ~ 女性社員を積極的に活用していきたい企業は前年比6.1%増の65.2%に(PDF)

「女性新入社員」に優しいホワイト企業500社

どの切り口の調査でも共通しているのは、本日の施行に合わせて多くの大手企業が動き出していたものの、経営戦略まで昇華できておらず、対応や実績にばらつきがある、ということでしょうか。今日以降は否が応でも大手企業は女性活躍推進をしなければならないし、それによって半強制的に、現場レベルで多くの女性が“働きやすさ・やりがい”などを感じられる日本社会になることを期待しています。

■女性というステータス

私がよくお会いする、企業のCSR・ダイバーシティ部門や経営企画部門では、よく女性活用の話題が出ます。特に女性にまつわる情報を掲載する「CSR報告書」制作の現場では“100%”(当社比)出てくる話題です。

今日までに「女性活躍推進法に基づく行動計画」を開示していない大企業の事業主の皆様。法律の有効性などはさておき、法治国家において法律に従わないという選択肢は法人・個人問わず“ない”って知ってますよね? いないとは思いますが、万が一、まだ開示していない企業の人事・CSR担当者は早急に対応するようにしましょう!

保険料・価格…暮らし負担じわり 4月からこう変わる|日経新聞

女性活躍推進法特集ページ|厚生労働省