インド、独自の宇宙ステーション構築を表明

Credit: ISRO

2019年6月13日、インド宇宙研究機関ISROのK. シヴァン議長は、有人宇宙船を打ち上げる計画を発展させ、将来はインド独自の宇宙ステーションを構築する計画だと発表した。

宇宙ステーション計画は、7月15日に打ち上げが決まったインドの月探査機チャンドラヤーン2の機体公開と共に発表されたもの。インドの通信社プレス・トラスト・オブ・インディアによれば、「我々は独自の宇宙ステーションを計画している。国際宇宙ステーションに参加するのではない。我々の宇宙ステーションは非常に小さなものになるだろう。小型のモジュールを打ち上げ、微小重力実験を実施するものになる」と述べたという。

ガガニャーン計画の目標。出典:Gaganyaanプロジェクトサイト
ガガニャーン計画の目標。出典:Gaganyaanプロジェクトサイト

計画はGaganyaan(ガガンヤーンまたはガガニャーン)と呼ばれる有人宇宙船の開発計画を発展させるものになる。「天」を表すGaganと「乗り物」を表すYaanを組み合わせた言葉で、「天の乗り物」といった意味になる。ガガニャーン計画は、2018年8月にインドのモディ首相が発表したもので、英国からの独立75周年にあたる2022年までに3名の宇宙飛行士が搭乗する宇宙船を打ち上げ、世界で4番目の有人宇宙飛行実施国となる目標だ。

ガガニャーン宇宙船の内部。出典:Gaganyaanプロジェクトサイト
ガガニャーン宇宙船の内部。出典:Gaganyaanプロジェクトサイト

ガガニャーン宇宙船は、約3.7トンの小型のカプセル型宇宙船で3名まで搭乗できる。GSLV Mk IIIロケットで打ち上げられ、地球低軌道を5~7日間周回する。2020年末から無人試験飛行を開始し、2021年末に有人打ち上げを実施する計画だ。ガガニャーン発展型の宇宙ステーションは、20トンほどの小型のものになるという。

有人宇宙船の飛行経路。出典:Gaganyaanプロジェクトサイト
有人宇宙船の飛行経路。出典:Gaganyaanプロジェクトサイト

ジテンドラ・シン宇宙開発担当大臣によれば、現在は宇宙飛行士の最終選抜を行っており、1~2年で訓練を完了するという。現在は南部に多いISROの宇宙開発拠点を、東部トリプラ州などにも拡大し、国を挙げて有人宇宙開発に取り組む方向だ。

有人宇宙飛行を実現し、宇宙大国入りを急ぐインドだが、2022年には中国が独自の宇宙ステーション構築を完了し、世界各国から応募があった宇宙実験の受け入れを開始する計画だ。6月12日には、国連と共同で選定した9件の宇宙実験を発表。ヒ化ガリウム太陽電池セルの開発、中間赤外線での地球観測、ガンマ線バーストの観測などが始まる。インドは、大型の宇宙計画で雇用が拡大することを打ち出して国内の関心を維持し、世界で3番目に有人宇宙飛行を実施した中国との差を縮めたい意向と考えられる。

日本とは将来の月探査での協力関係もあるインドだが、「宇宙大国入り」を目標にすると強引な行動をとる面もある。今年3月には衛星破壊実験を強行し、目標となった高度300キロメートル付近は「低高度で危険は少ない」と説明した。実際には高度400キロメートルを周回中の国際宇宙ステーションに近づいた破片もあった。また高度300キロメートル付近はJAXAの人工衛星「つばめ」が周回しており、インドが実際にどこまでリスクを把握していたのか懸念が残る。