Amazon.com、3000機以上のインターネット衛星網計画「プロジェクト・カイパー」を表明

Credit: Blue Origin

米Amazon.comは、3236機の人工衛星からなるブロードバンド通信衛星網「プロジェクト・カイパー」を計画していることがITU(国際電気通信連合)への書類提出によって明らかになった。

提出書類によれば、アマゾンは高度590キロメートルに784機、610キロメートルに1296機、630キロメートルに1156機と3段階の地球低軌道に3236機の衛星を打ち上げ、北緯56度から南緯56度までをカバーする低遅延の衛星通信網構築を計画している。米テックニュースサイトGeekWireのアラン・ボイル記者によれば、同社は計画の申請者であるKuiper Systems.LLCがAmazon.com内のプロジェクトであることを認めたという。

衛星の詳細や打ち上げ時期などについては、まだ明らかになっていない。GeekWireのメール取材による回答では、「地球低軌道の衛星コンステレーションによる低遅延、高速ブロードバンド接続を世界中に提供する」システムであるといい、今後パートナーなど計画の詳細を公表するとした。

同様の“メガコンステレーション”と呼ばれる巨大ブロードバンド衛星網計画は、イーロン・マスクCEO率いる米SpaceX社が「スターリンク」と名付けられた1万2000機以上の衛星網を計画し2019年中に打ち上げを計画しているほか、ソフトバンクから出資を受けているOneWeb社は600機以上の衛星網の最初の10機を2月に打ち上げた。また規模は明らかでないものの、Facebook社はブロードバンド通信網の実験衛星を今年中に打ち上げられると見られている。

Amazon.comは同社のジェフ・ベゾスCEOが設立したロケット開発企業Blue Origin社との関係から、多数の衛星を打ち上げるロケット調達の観点では有利である。とはいえ、すでに打ち上げ契約を結んでいる他の通信衛星網との競合が発生する可能性もある。また、メガコンステレーション衛星計画を持つ各社が使用を表明しているV帯、Q帯、E帯などの周波数帯は衛星から地上に送られる間の減衰が激しく、技術的なハードルを超えられるか懸念がある。大型企業の参入が続くブロードバンド衛星網だが、2019年にサービスが立ち上がる企業が現れるかどうかは不透明だ。