ニューホライズンズ探査機、ウルティマ・トゥーレ初画像を送信

ニューホライズンズ応援団長 Credit:NASA/Bill Ingalls

ニューホライズンズ撮影のウルティマ・トゥーレ画像(左)と、形状イメージ図。Credit: NASA/JHUAPL/SwRI; sketch courtesy of James Tuttle Keane
ニューホライズンズ撮影のウルティマ・トゥーレ画像(左)と、形状イメージ図。Credit: NASA/JHUAPL/SwRI; sketch courtesy of James Tuttle Keane

2019年1月1日にカイパーベルト天体、ウルティマ・トゥーレ(Ultima Thule 2014 MU69)の接近、フライバイ探査を行ったNASAとジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所(JHAPL)が共同で運用する探査機、ニューホライズンズ(New Horizons)は、最接近からおよそ10時間後に初の観測画像を送信。冥王星以遠の天体の姿が見えてきた。

海王星より外側にある惑星より小さいサイズの天体が集まったカイパーベルト(エッジワース・カイパーベルトとも)には、46億年前に太陽系ができた当時から軌道に惑星の影響による変化があまり起きていない天体が残っているとされる。2014年にハッブル宇宙望遠鏡の観測で発見されたウルティマ・トゥーレは、史上初めて探査機が接近、観測したこのタイプのカイパーベルト天体だ。

2017年、地球から観測した際の予想では、ウルティマ・トゥーレは細長く、長い側でおよそ30キロメートル、直径は15~20キロメートルほどの大きさだと予測されていた。2つの岩石がくっつき合った形状の可能性があり、痩せこけたフットボールいわれるような細長い形状の可能性も残っており、未知の天体の形状は注目の的だ。

ニューホライズンズのウルティマ・トゥーレ接近後、最初の信号が届いたのは日本時間で1月2日午前0時半ごろ。最初の通信で、ウルティマ・トゥーレに接近中のニューホライズンズ搭載の望遠カメラLORRIが撮影した画像が送られてきた。32キロメートル×16キロメートルほどの細長い形状で、2つの天体が非常に近接した状態で回転している可能性もある。初画像は、くびれた部分を探査機から見下ろす角度から撮影された。JHAPLのニューホライズンズチームは「両端が紡錘状になったボウリングのピン」と例えている。自転速度はまだ解析中だ。

日本時間1月3日午前4時から、ニューホライズンズ探査の科学的成果について、最初の記者会見が開催される。探査機からは現在も観測データの送信が続いており、すべて送信するには今後20ヶ月かかるという。このことから、ニューホライズンズ計画は2021年まで続けられることが決まっているが、チームはさらなるカイパーベルト天体の探査を提案する計画だ。

JHAPLのニューホライズンズ管制室で最初の通信成功を喜ぶチーム(中央はアラン・スターン博士)Credit: NASA/Bill Ingalls
JHAPLのニューホライズンズ管制室で最初の通信成功を喜ぶチーム(中央はアラン・スターン博士)Credit: NASA/Bill Ingalls
ニューホライズンズの管制室でハイタッチする主任研究員のアラン・スターンさんとミッション運用マネージャのアリス・ボーマンさん。Credit: NASA/Bill Ingalls
ニューホライズンズの管制室でハイタッチする主任研究員のアラン・スターンさんとミッション運用マネージャのアリス・ボーマンさん。Credit: NASA/Bill Ingalls

1月1日に開催されたニューホライズンズによるウルティマ・トゥーレ最接近記念イベントでは、応援団長ともいえるクイーンのギタリストで、天体物理学者のブライアン・メイ氏が新曲『New Horizons (Ultima Thule Mix) 』を披露した。ニューホライズンズ計画の主任研究員でサウスウェスト研究所(SwRI)のアラン・スターン博士は「ニューホライズンズは今日、太陽から65億キロメートルという文明上最も遠い世界の探査を計画通り達成した」と述べた。JHAPLのラルフ・センメル所長は、「いさましくてがんばり強いちびの探検家は、写真を撮るのもうまいんだ」と新しい天体の姿を見せてくれたニューホライズンズの成果を称えた。チームのツイートでは、“ニューホライズンズのママ”といわれるミッション運用マネージャのアリス・ボーマンさんが管制室で笑顔を見せる写真があり、「お母さんが笑顔だから大丈夫」とのコメントも。ニューホライズンズは道の天体の観測データを続けながら、さらなる旅に出るとみられる。