2021年秋、毎週日曜の23時15分から放送が始まるTVアニメ『鬼滅の刃』第2期「遊郭編」(フジテレビ系)を控え、5夜にわたって特別編集版が放映され改めて注目されている『鬼滅の刃』ですね。

そして、Twitterで急激にバズっている愛知県西尾市の中小企業トリイ株式会社の商品、ごぞんじですか?約7.9万いいね、約1.7万リツイートとなり、ランキングにも一時あがるほどに(9月20日23時32分現在)

その漫画の中でストーリーの鍵を握り、鬼舞辻無惨と深く関係している植物「青い彼岸花」が作れちゃう…染色化学品を扱うトリイ株式会社(愛知県西尾市/代表・鳥居宏臣)から発売されている染色剤キット「彼岸花を青く染める切り花染色剤 フラワーパレット」がいま、大きく注目を集めています。「青い彼岸花」は、自然界には実在していないもの。白い彼岸花を、花染色剤を利用することで再現できる、というアイデイア商品なのです。

トリイ株式会社は従業員8名の化学薬品の卸売商社。リーマンショック後の業績低迷の際、100%業務用卸だった業態の中で、花を染められる染料を小学生の自由研究用にターゲットを絞って展開した染色観察キット「フラワーパレット」を開発。

夏の自由研究に合わせて親が子にキットを買い与える市場トレンドを背景に、ヒット商品となりました。さらに、大手学習出版社から声がかかり、付録付きのムック本に採用され全国の書店でも取り扱われるなど大きく支持を集めています。

新商品はその染料の知識と商品力を生かした展開です。

漫画『鬼滅の刃』の中でも「希少」とされて渇望され、現実世界でも存在しない「青い彼岸花」を実際に見られる染料キット。青色の染料を水に溶かした溶液に、白い彼岸花の茎の部分をつけるだけ。1-2時間程度待つと、青い水を吸い上げた彼岸花の花びらが徐々に青く染まっていくということです。

(写真は、実際に染めた彼岸花…鳥居社長のフェイスブックより)

【商品名】彼岸花を青く染める切り花染色剤 フラワーパレット

【キットの内容】 青の染色剤1袋、ピンクの染色剤1袋

※用意するもの: 空のペットボトル1本(500ml)、染色したい新鮮な花

1つのキットで約500mlの染色液が作れ、約30本の花を染色可能。

【定価】 980円(税込)

【販売場所】 Amazon 「彼岸花を青く染める切り花染色剤 フラワーパレット」

ともすると汎用品として、価格競争に陥ってしまう染料。トリイでは、小学生にターゲットを絞り、夏の自由研究という利用シーンを特定し展開することで、ヒット商品を生み出しました。

そして、今回の青い彼岸花を作る染料キット。ターゲットは鬼滅ファンに絞り込み、新たな用途を提案することで話題の商品となっています。

コモディティ化し、差別化が難しい商品であっても事業展開の可能性は描けることを実感させてくれる事例です。

例えば、缶コーヒーの世界で言えば「アサヒモーニングショット」を思い出してみてはいかがでしょうか。缶コーヒーの利用シーンを調べていくと、出勤時など朝に「よし、今日も一日頑張るか!」という思いで飲んでいる人が多い…というインサイトに注目してうまれた商品ですよね。いわば「ちょっと苦い缶コーヒー」を、新たなターゲットを特定し、具体的な活用シーンを提案する中で顧客の創造を実現している取り組みといえるでしょう。

あるいは、スーツのAOKIがコロナ禍で投入した「パジャマスーツ」は、当初目標の倍以上の売れ行きとか。コロナ禍でリモートワークが広がる中で、リラックスできる着心地と画面を通じては、仕事の装いであること。市場トレンドが変わる中で、新たな用途を提案することで、いちはやく顧客のニーズに応えたと言えるでしょう。

コロナ禍であっても、どんなに成熟した業界であっても知恵と工夫次第で突破する道筋を描けくことができる、そう考えてはいかがでしょうか。