創業108年老舗お麩屋・麩屋万さんの挑戦。「お麩スイーツ」がネットショップ・百貨店でも注目

麩屋万の新商品・たまかざり

ただ良いものをつくれば売れる時代は終わったって、よく言われますよね。

でも、だったらどうすればいいんだ?と悩む企業は多い。

その問いのひとつの答えが、そこにありました。

カラフルで、つい写真を撮りたくなるような涼しげな見た目。

一見、アイスクリームを思わせるそのスイーツの名は「たまかざり」。

実は、生麩(ふ)をつかったおまんじゅうなんです。

この8月には西武岡崎店、豊橋のほの国百貨店(旧・丸栄)での販売が早速決定。

実際に、西武百貨店ではまずお盆まえに、そしてほの国百貨店では現在販売中です。

手がけたのは、明治44年創業の岡崎の生麩屋「麩屋万(ふやまん)商店」さん

100年以上にわたって名古屋や尾張など東海地方でなじみの深い

「角麩(かくふ)」や「もち麩」をつくってこられた老舗です。

全国各地にあるお麩屋さんも減少も一途。右肩下がりの業界で注目されている取り組みです。

どちらかというと地味なイメージのある麩。しかし、「たまかざり」は実に鮮やかです。

どのような経緯で開発が行われ、どんなところにこだわっているのか。

その背景を伺ってみました。

「夏にも食べてもらえる生麩をつくりたかったんです」

そう語るのは、代表の峯田和幸さん。

聞くと、お麩はすきやきや鍋、煮物、炒め物、揚げ物などどんな料理にも合う食材だが、

やはり販売のピークは冬。夏場の売上は冬の半分以下になるそうで、

その時期は従業員の方の勤務日数や時間の調整もしていただいているそう。

「それも申し訳なくて、なんとかしなければという思いがずっとありました」。

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そこで注目したのが、麩まんじゅう。

それまでも笹の葉にくるんだ麩まんじゅうを販売されていましたが、

「夏に食べてもらえるもの」で、かつ「贈答用」というシーンを絞って2015年から企画・開発。

構想から1年、何十回と試作をくりかえしてたどり着いたのが、この形だったそう。

地味な見た目を変えたり、あんこのフレーバーを変えてみたり…。そんな中、贈答品用のプチトマトセットとして人気となっている「セレブ・デ・トマト」の『トマトの宝石箱』に着想を得て生まれたのが、この商品。異業種・異分野での成功事例を、同じように自分たちも考えてみたらどうなるか…いう視点が、新たなチャレンジの背景にはありました。

つるりとした食感とのどごしを出すために、蒸すのではなく煮る、

昔ながらの製法にこだわってつくった麩まんじゅう専用の生地に、

味と香り、舌ざわりを追求した9色9味の餡をひとつひとつ、

ていねいに手作業で包んでいます。

パッケージにもこだわり、高級感と涼しげな演出をするために

竹かごを選ばれたそうです。

これまで消費期限の短さが、麩まんじゅうの販路を限定してきたが、冷凍された状態での販売となるため、日持ちもします。

半解凍してシャーベット状の食感を楽しむこともできますし、

もちろん解凍してもちもちした生麩本来の食感を楽しんでもOK。

白玉のかわりにアイスクリームに添えるなど、

「これまで麩になじみのなかった人に、自由に親しんでほしい」とのこと。

108年の伝統と、新しい発想が出逢って生まれた「たまかざり」。

できたてで販売実績もない中でも、デパートバイヤーの目にすぐ止まりました。

百貨店での販売も決まり、新しい市場を開拓できたという手ごたえを感じているそうで「今後も100年以上守ってきた伝統は守りながら、現代の人のニーズやトレンドをうまく取り入れ、第2、第3のたまかざりをつくっていきたい」と意気込みを語ってくださいました。

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Yahoo!ショッピングでも販売をされています。

早速地元経済紙などでも注目されています。

良いものをつくる伝統の技術が、シーンを絞ることでぐっと注目を集めるようになるという好例。そして、異なる分野での成功事例にアンテナを伸ばし、「同じように考えてみれば、自分たちは何ができるだろうか」と捉える視点。商品やサービス開発のヒントになるのではないでしょうか。

中小企業、なかでも老舗といわれる企業の挑戦に、今後も注目していきたいと思います。

ではでは。

■商品概要

<商品名>:贈答用生麩まんじゅう「たまかざり」

<仕様/価格>9色9味 贈答用竹籠入り 2,200 円(税抜)

こしあん / 粒あん / 梅あん / 紫いも / 黒ごま / 抹茶

みかん / レモン / ラムネ

<取扱店舗・販売>

◎ほの国百貨店(愛知県豊橋市)

2016 年8 月17 日(水)~8 月21 日(日) 地下1 階 催事出店

秋元祥治

NPO法人G-net代表理事・滋賀大学客員准教授・OKa-Bizセンター長

ではでは。