コロナ禍だからこそ離婚後・別居中の親子は「共同養育」で助け合う。

離れて暮らしている子どものことを想いながら作った手料理(提供:雷鳥風月さん)

先日、新型コロナウイルスの感染拡大によって、離婚や別居で離れて暮らす親子の「面会交流」にも影響が出ていることをお伝えしました。

新型コロナウイルスは会えない親子をさらに会えなくする。離れて暮らす親子の「面会交流」が減少。(明智カイト)

このような事態を受けて、法務省ではビデオ通話などを活用するように呼び掛けています。

【新型コロナウイルス感染症関係情報】面会交流について(法務省)

すでにテレビや新聞など様々なメディアでも報道されており、事態の深刻さが伺えます。

離れて暮らす親子の「面会交流」にも影響 新型コロナ(NHKニュース)

月に一度、会える機会も失われ…別居の親子の苦難 感染拡大の思わぬ余波(関西テレビ)

新型コロナで“離れ離れ”・別々に暮らす親子に深刻影響(テレビ朝日)

しかし今回は、このコロナ禍をきっかけにして、これまで離れて暮らしていた親子が再び交流を始めることになったお話をご紹介します。

新型コロナウイルスの影響で将来が不安に

ファットさんと息子(提供:桜の会)
ファットさんと息子(提供:桜の会)

コロナ禍をきっかけにして、離れて暮らしていた息子と約2年ぶりに再会できたのは父親のファットさん(仮名・40代)です。

もともとファットさんが子どもと会えなくなったきっかけは、妻による息子の連れ去りが原因でした。家裁にて、妻の複雑な家庭環境や育児放棄、薬物犯罪歴等、全て認められましたが何ら問題ないとして、離婚しないまま息子の監護権は妻との審判となりました。

その後、面会交流調停にてファットさんは妻側から「今後一切関係を断ちたい」と言われましたが、「自分の子どもなので直接会いに行きます」と宣言し調停を取り下げました。しかし、妻側からは「子どもは死んだと思って次へ行け」と、訴えを聞いてはもらえませんでした。

こうしてファットさんと息子は2年ほど会えない期間が続きました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって状況が一変します。

コロナ禍の影響で自粛要請の中、4月11日にファットさんの携帯に妻から連絡があり1年11ヶ月ぶりに二人は話をしました。

妻からは、『もっと早くに会わせていれば息子を傷つけることはなかった。コロナの影響で子どもを預ける所もなく仕事も出来ず先行きが不安になり、意地を張るのはやめて色々考えた。活動に参加する姿や訴訟等で、息子を諦めない気持ちが十分に伝わっていた。離婚しても「子どものための共同養育」を協力していきたいと思う。』と、言われました。

翌日、テレビ電話にて連れ去られてから初めてファットさんは息子と話をしました。息子は片親疎外もなく父親と言う認識もあり、すごく楽しそうにしていました。また、妻からも、息子はパパと会えるのをすごく楽しみにしていると伝えられました。

その後も定期的にテレビ電話にて交流し、5月17日に2年ぶりの父子交流が実現しました。久しぶりに父親と会うことができた息子は「これが欲しい、あれ食べたい、あそこ行きたい」と、ファットさんにたくさん甘えていたそうです。

ファットさんは、『再会の待ち合わせ場所に向かう時、2年間こちらに6枚の写真が送られきただけの間接交流だったので、片親疎外になっていないか、不安でいっぱいでした。そんな心配をよそに息子は、最初こそ照れて目を合わせてくれませんでしたがすぐに慣れて学校の事、好きなアニメの事など色々と話してくれました。』と、一緒に暮らしていた2年前の、いつもの日常がその瞬間また戻ってきたのを感じていました。

夫婦の別れを親子の別れにしない社会へ

平山 雄一郎さん(提供:桜の会)
平山 雄一郎さん(提供:桜の会)

コロナ禍における面会交流の在り方について、当事者団体「桜の会」代表の平山 雄一郎さん(40代)にお話しを伺いました。

平山さん『コロナ禍の影響があっても同居親は我慢しなくていいのです。コロナをきっかけに離れて暮らす親子の交流が再開すれば、同居親の負担も減り子ども達の笑顔も取り戻せるでしょう。両親の離婚原因は子どもには一切関係ないことがほとんどです。夫婦の別れを親子の別れにしない社会にすることが、未来ある子ども達にとっての最善の利益ではないでしょうか。』と、コロナ禍だからこそ子どもを中心にした生活へと切り換えようと訴えます。

また、Twitter上では離婚後や離婚係争中で子ども達と会えない父親たちが中心となって「#パパごはん」という企画を始めています。これは、離れて暮らしている子どものことを想いながら、Twitter上に子どもが好きな手料理を掲載していく父親たちの取り組みです。

企画したメンバーの父親たちが父の日まで「#パパごはん」をリレーで繋げていくそうです。この趣旨に賛同される方はぜひ「#パパごはん」にチャレンジしてみませんか?

企画の詳細はこちら⇒ パパごはん 父の日チャレンジはじめました|雷鳥風月

「#パパごはん」を拝見してみて、離れて暮らしていても、どんなに会えない期間が長くても、コロナ禍であっても親子の繋がりを断ってはいけないと、あらためて実感しました。