保育士試験で「病児保育」に関する問題が出題!「病児保育」は保育士の資格を取得した後にも必要な知識です

(ペイレスイメージズ/アフロ)

保育士試験で「病児保育」に関する問題が出題!

前回、『病気にかかるのは悪いこと?病児保育にまつわる誤解。』の中で

子どもの様々な状況に対応することが、本来の保育の在り方だと言えます。つまり、「保育そのものの中に、病児保育が含まれている」と考えられるのです。病児保育は保育の欠かせない一部であり、現代社会に必要とされる社会の仕組みであると言えるでしょう。

と書きました。今回はその象徴的な出来事をご紹介したいと思います。

今年10月に実施された平成28年度保育士試験(後期)筆記試験 保育士試験において「病児保育」に関する問題が出題されたのです。

保育士試験ではまず9科目の筆記試験(選択式)が行われます。このうち、病児保育に特に関わりが深い「子供の保健」のなかで、「病児保育」に関する問題が出題されました。

【問16】次の文は、子どもに見られる疾患、症状に関する記述である。保育士の対応として最も適切な記述を一つ選びなさい。

1.咳はよく見られる症状である。咳そのものは、体の負担になるためすぐに咳止めを用いるよう、保護者に説明すると良い。

2.下痢は乳児ではよく見られる症状であるので、そのまま様子を見る。

3.嘔吐は細菌感染によるものなので、医師に抗菌薬を処方してもらうのが良いと保護者に伝える。

4.発熱とは平熱よりもおよそ1℃以上高い体温をいうが、平熱が37℃以上の子どもが38℃を超えた場合は発熱と考えて対応する。

5.発熱して寒気のためふるえている子どもに対しては、頭だけでなく体幹部も冷やすと良い。

この問のように「病児保育」について、保育士試験では出題されています。国家試験である保育士試験に「病児保育」について出題される意味は、大きいと考えます。これから保育士を目指す方には、「病児保育」は保育の一部として、欠かせない知識なのです。

「病児保育」は保育士や、保育士を目指す人にぜひ学んで欲しい。

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保育士試験の試験科目の一つ「子どもの保健」の出題の基本方針は、『児童の心身の健康と安全に係る基本的知識と保育実践に係る児童の疾病とその予防及び事故防止と安全管理等についての理解を問うことを基本とする。』です。出題範囲には『子どもの疾病と保育』などが含まれており、病児保育と深く関わりのある科目となっています。(※保育士試験出題範囲より)

例えば、平成25年度 保育士試験では「エピペン」「病児保育」に関する問題が出題されています。

また、感染症対策については以下のような出題もありました。

次の文は、「2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」(厚生労働省)に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

1 . 病原体が体内に侵入することを感染症という。

2 . 乳幼児における感染症の特徴は学童、生徒にみられるものと同様である。

3 . 飛沫感染とは、感染している人から飛び出した小さな水滴(飛沫)が空気を介して拡散し、遠くにいる人もそれを吸い込むことによって起こる感染経路である。

4 . 「解熱した後3日を経過するまで」とは、解熱した日を入れて4日間である。

5 . 通常のインフルエンザに罹患した場合、5日間休むことが求められる。

子ども子育てビジョン(平成22年1月29日閣議決定)では、「平成26年度までに、体調不良児対応型は、すべての保育所において取組みを推進」するとされており、これからの保育士には、保育の技術・知識に加えて「病児」に対応するスキルが求められています。

このように感染症対策やエピペンの使い方など保育士資格の取得後も刻々と変化している環境に対応するため最新の情報を学んでいく必要があるのではないでしょうか。「子どもの保健」では学びきれない、奥深い『病児保育』のスキルと知識は保育士試験の勉強と一緒に、もしくは合格後に保育士としての更なるスキルアップを目指す人には是非とも学んで欲しい内容です。

●参考文献

「認定病児保育スペシャリスト公式テキスト」

出版社:英治出版 (2013/1/11)

※保育士試験 各科目の出題内容

1.保育原理

保育の意義及び保育の内容や方法について体系的に理解しているかどうかを問われる科目

保育所保育指針の内容から、現代における保育の課題まで幅広く出題される

2.教育原理

教育に関する基本的概念、教育における実践原理を体系的に理解しているかどうかが問われる科目

教育の思想や制度について、また、児童福祉等との関連性や教育を巡る現代的課題に関しても出題される

3.社会的養護

現代社会における社会的養護の意義と役割について体系的に理解しているかどうかが問われる科目

社会的養護の理念・制度の体系を概括的に理解しているかという点のほか、児童及び社会的養護をとりまく状況や家庭的養護、施設養護の援助の実際について、また、保育との関連性や社会的養護を巡る現代的課題に関しても出題される

4.児童家庭福祉

現代社会における児童家庭福祉の意義と役割について体系的に理解しているかどうかが問われる科目

児童家庭福祉の理念・制度の体系を概括的に理解しているかという点のほか、児童及び家庭をとりまく状況や児童家庭福祉の実際について、また、保育との関連性や児童家庭福祉を巡る現代的課題に関しても出題される

5.社会福祉

社会福祉全般に関して、その理念体系を理解しているかどうかが問われる科目

社会福祉の理念・制度の体系を概括的に理解しているかという点のほか、その背景となっている社会の動向、社会保障等の関連制度の概要、利用者の保護にかかわる仕組みや相談援助等について、また、児童家庭福祉との関連性や社会福祉を巡る現代的課題に関しても出題される

6.保育の心理学

保育実践にかかわる心理学の知識や発達の基本原理について体系的に理解しているかどうかが問われる科目

子どもの発達過程における心理や発達の特徴を理解しているかという点のほか、生活と遊びを通して学ぶ子どもの経験や学習の過程について、また、保育における発達援助や子どもの発達を巡る現代的課題に関しても出題される

7.子どもの保健

児童の心身の健康と安全に係る基本的知識と保育実践に係る児童の疾病とその予防及び事故防止と安全管理等についての理解が問われる科目

、児童の健康増進を図る保健活動の意義や保育における環境及び衛生管理並びに安全管理について理解しているかという点のほか、児童の身体面のみならず心の健康についての理解や母子保健対策、他職種との連携等に関しても出題される

8.子どもの食と栄養

児童の食生活や栄養に関する基本的知識と保育実践に係る食育の基本と内容についての理解が問われる科目

児童の健康な生活の基本としての食生活の意義や栄養の基本的概念や調理の基本、年齢や発達過程における食生活について理解しているかという点のほか、食に係る特別な配慮を有する児童への対応や食を通した保護者への支援、現代社会における食生活の課題に関しても出題される

9.保育実習理論

保育に関する教科全体の知識・技術を基礎とし、子どもの保育及び保護者への支援について総合的に理解し、実践する応用力を問われる科目

保育所、児童福祉施設の役割や機能について、また、保育士の職業倫理について具体的に理解しているかという点のほか、保育実践に係る計画(保育課程・指導計画)と実践(保育内容)及びその評価や児童福祉施設における児童の生活と援助活動に関しても出題される