100年後の世代へ100冊の本、作家3人目はショーン氏/ノルウェー未来の図書館

3人目の作家ショーン氏 Photo:Asaki Abumi

毎年1人の作家がノルウェーに寄贈する1冊の本。2014年より100年間続く「未来の図書館」計画では、100冊の本が未来の世代にプレゼントされる。大規模な未来計画だ。

100冊の本を読めるのは2114年以降。今生きている私たちの多くは読むことができないであろう。

オスロの森で開催されたセレモニー Photo:Asaki Abumi
オスロの森で開催されたセレモニー Photo:Asaki Abumi
印がついた木々は100年後の本の印刷に使用される Photo:A Abumi
印がついた木々は100年後の本の印刷に使用される Photo:A Abumi

1人目、2014年に名前が発表された作家はカナダ出身のマーガレット・アトウッド氏。2人目、2015年の作家はイギリス出身のデイヴィッド・ミッチェル氏。2016年にはアイスランド出身のショーン(Sjon)氏が選出された。

2日、ショーン氏は首都オスロにある森を訪れ3冊目を寄贈。

「未来図書館のことは噂で聞いていて、すぐに素晴らしい計画だと思いました。(中心人物である)ケイティー・パターソンさんに連絡をして、“もしいつかアイスランド人の作家を必要になった時は、ぜひ私のことを思い出してください”と自分から伝えたのです」。ショーン氏は微笑みながら、森の中での取材で答えた。

Photo:Asaki Abumi
Photo:Asaki Abumi

「2人目の作家ミッチェルさんの寄贈を知った時は、うらやましくて仕方がありませんでした!」。昨年9月に連絡が来た時は感無量だったと振り返る。

本を書きあげるまでには7か月かかったそうだ。内容や言語は不明だ。

ショーン氏(右)がパターソン氏(中央)とオスロ市長(左)に本を手渡す
ショーン氏(右)がパターソン氏(中央)とオスロ市長(左)に本を手渡す

「未来の本の存在については心配していない」

「100年後に本がどうなっているかは分かりません。私たちが慣れ親しんだ形とは違うものになっているかもしれませんね。100冊の本が開封される時は、昔ながらのスタイルで作られた紙の本だと受け止められ、お祝いされるのでしょう」。

「未来の本の在り方については心配はしていません。人間は物語を必要とし、それを語り継いでいく方法を見出していきますから」。

本を読むことはなぜ大切だと思うかを聞いた。

「他の人々と関係をもつための特別な方法だからです。その人の考え方、アイデア、感情とつながることができる貴重な体験が読書です。人類は、“読書”という素晴らしい宝を発見しました」。

ショーン氏は紙の本で読むことが多いが、デジタルで読むこともあるという。若い頃に読み、自身に大きな影響を与えた日本人作家は川端 康成や三島 由紀夫だと語った。

ショーン氏の寄贈した本はタイトルのみが判明している。タイトルは長文で

『VII

As My Brow Brushes On The Tunics Of Angels

or

The Drop Tower, the Roller Coaster, the Whirling Cups

and other Instruments of Worship from the Post-Industrial Age』。

タイトルが長文すぎて聞き取れず、本人に手書きしていただいた Photo:Abumi
タイトルが長文すぎて聞き取れず、本人に手書きしていただいた Photo:Abumi

4人目となる作家はまだ発表されていない。

Photo&Text: Asaki Abumi