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【億ションのお宅拝見】NYクリエイティブ地区ブルックリン・ダンボの3億円超!新築コンドの中身

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(c) Kasumi Abe

先日内覧したニューヨークの閑静な高級住宅地、グラマシーパークの新築コンドミニアム(分譲用の集合住宅)に続き、筆者が訪れたのはブルックリン区のダンボ地区。

ダンボ地区はマンハッタンに掛かる橋の袂に位置する。元は倉庫街で、今も昔ながらの煉瓦造りの建物や石畳が残り、独特の風情がある。

歴史的に若手のアーティストやクリエイター、テック系の人が多い理由は、マンハッタンの地価が高騰し、芸術家が広いロフトやアトリエで少しでも安く活動できるようにと、20世紀末ごろから倉庫街だったダンボに移ったからだ。今では倉庫やロフトをリノベートしたハイエンドなレストラン、世界的規模のホテル、テック企業が進出し、市内でも有数のハイエンドな地区(ネイバーフッド)として知られる。

DUMBO, Brooklyn

赤いエリアがブルックリン区ダンボ地区。(筆者がGoogleマップから作成)
赤いエリアがブルックリン区ダンボ地区。(筆者がGoogleマップから作成)

今では地価や物価が急騰し、不動産会社のPropertySharkによると、中央値で見ればダンボ地区はブルックリン区でもっとも高く、ニューヨーク市内でもトップ8位。(2020年の統計)

「ダンボは活気に満ちたウォーターフロントに位置し、人々がブルックリンで最も憧れる地区の1つです」

Front & Yorkのデベロッパーで米大手不動産関連企業CIMグループのジェイソン・シュライバー(Jason Schreiber)さんはそのように説明する。「豊かな緑地、歴史的建造物、人気飲食店などお出かけが楽しくなる魅力が多く、訪れた人はこの活気に虜になります」。

魅力溢れるダンボ地区。奥に見えるのはマンハッタン橋。(c) Kasumi Abe
魅力溢れるダンボ地区。奥に見えるのはマンハッタン橋。(c) Kasumi Abe

駅近の立地も当地では人気物件の指標の一つだ。地下鉄最寄り駅は、マンハッタンから1駅のYork駅。その駅を出てすぐ角に完成したのが、今回訪れた新築コンド、Front & York

エントランスを入るとドアマンのいるレセプションがあり、その奥はライブラリー&コミューナルスペースとなっている。ここで住民同士が語り合ったり、コワーキングスペースとして仕事に利用したりと、使い方は千差万別。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

さらにドアの向こう側は、住民専用の公園が広がる。

建物は21階建ての2つのレジデンシャルビルから成る。建築は、周囲の倉庫街との同化するよう、当地のMorris Adjmiが手がけた。Morris Adjmiは、ブルックリンブームの先駆けとして建築系やファッション系なら知らない人はいないワイスホテルの建築でも知られる。

住民専用の公園を上階から見た図。一般的な市民公園より広い!(c) Kasumi Abe
住民専用の公園を上階から見た図。一般的な市民公園より広い!(c) Kasumi Abe

早速、3ベッドルーム(4階)と2ベッドルーム(9階)のユニットへ。

入り口のドアを開けると、大きなウォークインクローゼットがあるのはとても便利。靴箱はもちろん、ベビーカーや冬物コート、趣味のゴルフセットや釣り具などここに入れておけば、部屋全体がすっきりと片付く。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

奥のリビングルームはどちらも広く明るい設計。これらのインテリアデザインはすべて、当地のASH Staging(ASH NYC)が手がけた。

(c) Kasumi Abe
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(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

ユニットによっては、このような壮大な景色も部屋から見られる。「こちらは西方向なので、夕暮れ時や日が落ちた後はもっと素敵なんですよ」と、Front & Yorkのセールス担当、サラリン・ヘルスターンさん。

左がマンハッタン橋。イーストリバーを挟んで右手奥がマンハッタンの摩天楼。(c) Kasumi Abe
左がマンハッタン橋。イーストリバーを挟んで右手奥がマンハッタンの摩天楼。(c) Kasumi Abe

4階のユニット(4E)はカウンターキッチンで、夫婦どころか家族総出で使えそうなほどスペースたっぷり。調理台はトースターやコーヒーメーカーでごちゃごちゃしやすいが、冷蔵庫や食洗機までラグジュアリーで落ち着いた木製のイタリアンキャビネットでまとまめられているので、すっきりとした印象。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

大切な来客のための、高級感あるゲスト用パウダールーム。こちらも広くてゆったりしたスペース。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

一転、子ども部屋は白が基調で明るい作り。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

Front & Yorkのさらなる魅力は、住居ビル内の充実した共有スペースにある。

プロのシェフを招いた調理イベントやYouTube撮影ができるキッチンスペース、コワーキングスペース、キッズルーム、屋内&屋外プールを備えたフィットネスクラブ、バスケットボールコート、演奏の練習や音楽イベントのためのミュージックルーム、ワイン・テイスティングルーム、ビリヤードバー&ゲームルーム、ペット用スパまで完備。コミュニティマネージャーが常駐し、住民のライフスタイルをサポートしてくれる。まるで一つの街であり、外に出る必要を感じさせないほどだ。筆者もさまざまな物件を見てきたけど、ここまでの充実度は希少!

(c) Kasumi Abe
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ワイン・テイスティングルーム。(c) Kasumi Abe
ワイン・テイスティングルーム。(c) Kasumi Abe

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

ホテルのルーフトップバーのような屋上スペースもある。夏は友人家族を誘って大規模なバーベキューパーティーをしたら楽しそう。(c) Kasumi Abe
ホテルのルーフトップバーのような屋上スペースもある。夏は友人家族を誘って大規模なバーベキューパーティーをしたら楽しそう。(c) Kasumi Abe

ニューヨークは全米の中でも不動産価格が格段に高いが、今年の住宅価格は昨年に比べると下落傾向という報道がある。一方インフレを抑えるための大幅な利上げを背景に、住宅ローンの金利は上昇している。

購入価格は4階のユニット(4E)が日本円で3億円超え、9階のユニット(9-19B)が2億円超えとなっている。当地でも比較的高い物件だが、シュライバーさんによると今年の初めから、購入希望者からの問い合わせが多く、販売に繋がっているという。

「目の肥えたバイヤーは美しく最高のデザインの住居空間を常に探していますから、Front & Yorkの屋外スペースや機能的な設備、エキサイティングなロケーションの良さなどが目に留まっているようです」(シュライバーさん)。

「4E」のフロアプラン

CIMグループ提供(筆者が一部加工)。
CIMグループ提供(筆者が一部加工)。

「9-19B」のフロアプラン

CIMグループ提供(筆者が一部加工)。
CIMグループ提供(筆者が一部加工)。

Front & York

4E

価格:274万ドル(現在の為替で約3億7400万円)

3ベッドルーム、2.5バスルーム、リビング&ダイニング、キッチン

室内面積:1,647平方フィート(約153平方メートル)

9-19B

価格:197万ドル(現在の為替で約2億6900万円)

2ベッドルーム、2.5バスルーム、リビング&ダイニング、キッチン

室内面積:1,212平方フィート(約112.6平方メートル)

(Text and photos by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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