ゴーン被告の国外逃亡は関空から? 米メディアはどう報じたか

2019年3月、保釈され弁護士事務所から移動中のカルロス・ゴーン被告。(写真:ロイター/アフロ)

金融商品取引法違反などの罪に問われ、保釈中も日本国外への渡航を禁じられていた、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告。日本時間12月29日午後11時すぎに日本を出国し、中東レバノンの首都ベイルートに到着したことがわかり、世界中が揺れた。

アメリカでも米東部時間12月30日夜から31日未明にかけて、主要メディアがいっせいに報じた。

CNNでも31日、「4月に再保釈されて以降ベールに包まれていたゴーン氏が、日本を脱出」と紹介。同被告の談話として、「不正な日本の司法制度によって人質にされることはもうない。私は正義から逃れたのではない。不正義と政治的迫害から逃れたのだ」と報じた。記事

これらの報道の主要情報源は、中東発の各メディアが中心だ。レバノンのMTVでも、同被告が強調した「日本の不正と政治的迫害からの逃亡」と、現地時間31日付で報じた。同被告は記事の中で、「日本の法制度では、罪が推定され(濡れ衣を着せられ)、差別がはびこり、基本的人権が否定されている」「私はやっと今、メディアと自由にコミュニケーションが取れるようになった。来週を楽しみにしている」と話している。

ゴーン被告は4月に最後に投稿したこのTwitterメッセージでも「無実」を主張していた。

ドバイのアラビア語衛星放送「アル・アラビーヤ」も31日付で、「Nissanの元ボス、ゴーンは楽器箱の中に隠れて日本から逃亡」「出国ラッシュでごった返す空港から巧みに出国できた」と報じた。「ゴーンは日本の自宅に音楽バンドを招待し、年末のディナーパーティー&演奏会を行った。そしてパーティーが終わりバンドが撤収する際、自身も楽器箱の1つに身を隠し、空港へ向かった」。記事

また、CNNの別記事「国籍のある3国(レバノン、フランス、ブラジル)のパスポートを使わず、ゴーンはどのように日本を出国できたか?」も興味深い。

日本では厳しい監視下に置かれ、電話とコンピュータの使用を制限されていた中、被告がどのように逃亡できたか疑問を呈している。そして、フランスなども含むさまざまなメディアの報道やフライトトラッカー「Flightradar24」のデータをもとに、同被告は偽パスポートを使用し、大規模な組織の手引きで、大阪から出国。トルコを経由して月曜日(30日)明け方にプライベートジェットでレバノンに合法的に入国したとする説が有力だとした。(どの時点でプライベートジェットに搭乗したかは、現時点で不明)

晴れて自由の身になったゴーン被告と、してやられた日本。被告が言う「不正が蔓延する日本の司法制度」とはどういうものを指すのか? 現時点での判断は難しいところだが、そのような喜ばしくない情報が世界中に吹聴された形で、2020年という新たな年が明けてしまった。

(Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止