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大金持ちフェイスブックCEO 家族と自宅公開で汚名返上図るも、冷ややかな声

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
結婚の翌年(13年)。当時から素朴な雰囲気のザッカーバーグ夫妻。(写真:ロイター/アフロ)

ZOZOの元CEO前澤友作氏が、YouTube上で1000億円の記帳を公開したりプライベートジェットで世界中を飛び回るなどして話題になっている。今ではすっかり「成功者」「大金持ち」を象徴する人物になってしまったが、上には上がいるものだ。

『Bloomberg Billionaires Index』では、世界のビリオネア(大金持ち)上位500人が毎日更新されている。日本人は世界28位の柳井正氏を筆頭に、滝崎武光氏や孫正義氏など9名が連なっている。(2019年12月6日現在)

そして「世界上位」にはビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、ベルナール・アルノー、ウォーレン・バフェットなど、誰もが知る億万長者がずらり。

世界で5番目の大金持ち、マーク・ザッカーバーグ

世界のビリオネアランキングで第5位になっているのは、フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏だ。2019年12月6日現在で総資産767億ドル、約8兆3300億円。そのザッカーバーグ氏と2012年に結婚した妻、プリシラ・チャン(Priscilla Chan)夫婦が再び脚光を浴びている。

12月3日、朝の情報番組『CBS This Morning』のテレビカメラがザッカーバーグ氏の家に初潜入し、2人の娘の子育てや家族の在り方などを紹介した。

『CBS This Morning』が取材したザッカーバーグ氏の自宅(地域によって見られない可能性あり)

普段からシンプルなライフスタイルで知られるザッカーバーグ氏らしく、自宅エントランスも質素な雰囲気。(CBS This Morningのキャプチャ)
普段からシンプルなライフスタイルで知られるザッカーバーグ氏らしく、自宅エントランスも質素な雰囲気。(CBS This Morningのキャプチャ)
洋服もビリオネアとは思えないほど。ちなみにザッカーバーグ氏はほぼ毎日グレーのTシャツを着ている。(CBS This Morningのキャプチャ)
洋服もビリオネアとは思えないほど。ちなみにザッカーバーグ氏はほぼ毎日グレーのTシャツを着ている。(CBS This Morningのキャプチャ)

全米だけで10軒の豪邸を保有するザッカーバーグ氏だが、撮影クルーを招いたのは、サンフランシスコのパロアルト市にある自宅の一つのようだ。

番組パーソナリティのゲイル・キング(Gayle King)氏から「どんなものでも買ってあげられる状態で、どのように子育てしているのですか?」との質問に、「欲しいものをすベて与えるようなことはしていません。また、家事の手伝いもさせ、責任感を教えています」「職場にも連れて行き、私たちがどのように仕事をしているか見てもらっています」と夫妻。

マックス(4歳)とオーガスト(2歳)という2人の娘も、顔出しで放送された。毎週金曜日は夕食用のパン作りをする日。(CBS This Morningのキャプチャ)
マックス(4歳)とオーガスト(2歳)という2人の娘も、顔出しで放送された。毎週金曜日は夕食用のパン作りをする日。(CBS This Morningのキャプチャ)

また、妻として夫にどのように向き合っているのかを問われたチャン氏は、「親友(でもある夫)がとても疲れて帰宅するのを間近で見るのは辛い。次に起こる事態への対処法が分からない状態で疲労困憊している姿を傍で見たり、真夜中に目が覚めたら、彼がまだベッドに入っていない状態ということもあります」。

「でも、私たちは幸運です。家族であり子どもがいるのだから、私たちはまだ大丈夫」と笑顔を見せた。

夫婦は共同で、医療科学や教育の資金調達をする「Chan Zuckerberg Initiative」を2015年に立ち上げ、運営している。

職場も自宅も一緒。このような状態で夫婦円満を保つ秘訣は?

「帰宅しても引き続き仕事のことを考えることが多いけど、話題を持ち出すタイミングにはかなり気を使っている」と妻。仲良しの秘訣として、結婚から7年経った今でも毎週2人だけで夕食デートに出かけ「デートの時は仕事の話をしない」

番組はこのように、公私ともに成功している夫婦や家族のあり方を紹介し、夫妻を「素晴らしいユニットだ」と賞賛した。

一方番組を観た視聴者からは、「イメージ挽回に躍起になっている」「なぜこのプロパガンダがニュースになる?」「強い妻の尻に敷かれたロボット」「私たちの個人データから作ったお金だ」「気持ち悪い(男)」などと、冷ややかな声が聞こえている。

フェイスブックはこれまで、約8700万人の個人情報流出によるプライバシーの取り扱い、フェイクニュースの拡散、前回の大統領選でロシアの干渉を許したことなどについて問題視され、以来ザッカーバーグ氏は代表としての素質に疑問を持たれており、今も良いイメージを挽回しきれていない。加えて、しつこいやっかみがついて回るのは、どこの国でも大金持ちたる宿命か。

(Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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