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IATA、各国に財政支援の継続訴え 冬季の経営悪化懸念

配信

Aviation Wire

 IATA(国際航空運送協会)は、新型コロナウイルスの影響で国際線を中心に運休が続く中、航空業界は今冬に厳しい状況が見込まれるとして各国政府に救済措置の継続を求めている。航空会社の多くは、欧州などで観光シーズンを迎える7-9月期に利益が集中する構造で、新型コロナにより観光需要を見込めない今年は、冬季に経営環境がさらに悪化する可能性があるとしている。  IATAによると、欧州の航空会社の場合、売上高に占める純利益率は2019年の第2四半期(4-6月期)に9%、第3四半期(7-9月期)に17%だった。一方、第1四半期(1-3月期)はマイナス1%、第4四半期(10-12月期)は2%と、利益のほとんどが夏季に集中する構造になっている。  IATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEO(最高経営責任者)は声明で、「航空会社が厳しい冬を乗り切るには、政府からの継続的な支援が必要だ。また、航空会社は(旅行直前での予約変更など)新しい消費者トレンドに柔軟に対応する必要がある。財政と運用の両面での柔軟性が生存につながる」と述べた。  6月初めの調査では、新型コロナが収まってから数カ月以内に航空便での旅行をしたいと答えた人の割合は45%にとどまり、4月時点の調査の61%から16ポイント減少。また、5月時点で20日以上先の航空便の予約割合は29%で、2019年の49%から減少しており、先行きが見通しにくい中で、多くの人が航空機を使った旅行に二の足を踏む実態が浮き彫りとなっている。  こうした中、IATAは「厳しい冬」を乗り切る方法として政府に4つの方策の実施を要請した。1つ目が発着枠の8割以上を使用するルールの免除継続で、航空会社はより柔軟な運航計画が必要になっているとして、現在ほぼすべての国で免除されているルールを冬季も継続するよう訴えた。  2つ目は、負債を拡大しない方法による金融支援。一部の政府は、国内事業への補助実施や税金免除などを検討しているとした。3つ目が賃金補助と法人税減税措置の延長で、各国の賃金補助制度により、これまで航空会社に約350億ドルの補助金が提供されたが、これらの制度終了の時期を後ろ倒しにするなどで、雇用損失を最小限に抑えることを求めている。  最後が空港などの施設使用料の急激な増加を避けること。手数料増加は航空会社の財務に深刻な影響を与えるとして、当面の間は避けるよう求めた。同時に、新型コロナウイルスで航空会社が新たに費用負担が発生している衛生強化費用などを補てんすることも求めた。

Kaname SUGIMOTO

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