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名曲散歩/原田知世『時をかける少女』ユーミンもセルフカバー

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SmartFLASH

 東京・神田の古いビルの2階。そこには夜な夜な紳士淑女が集まり、うんちくを披露しあう歌謡曲バーがあるという。今宵も有線から、あの名曲が流れてきた。 お客さん:お、このイントロは原田知世の『時をかける少女』、いまも変わらない、あの透明感はなんなんだろうね! マスター:この曲は1983年、ご存知、大林宜彦監督の尾道3部作の第2弾『時をかける少女』の主題歌で、松任谷由実が提供したのは有名だよね。 お客さん:映画のエンディング、原田知世がさまざまな場面で歌うカーテンコールのような演出が忘れられないなあ! マスター:最終的に59万枚を売り上げ、『ザ・ベストテン』にも登場した。 お客さん:ところで、この曲を作詞作曲したユーミンといえば、誰かに歌を提供するとき、「松任谷由実」と「呉田軽穂」の2つの名前を使い分けるよね。 マスター:松任谷由実(荒井由実ふくむ)だと、『いちご白書をもう一度』(バンバン)、『まちぶせ』(三木聖子、石川ひとみ)、『雨音はショパンの調べ』(小林麻美)、『ダンデライオン~遅咲きのタンポポ』(原田知世)などがある。 お客さん:そして、往年のハリウッド女優、グレタ・ガルボをもじったペンネーム、呉田軽穂で提供したのは……。 マスター:『赤いスイートピー』『渚のバルコニー』『小麦色のマーメイド』『秘密の花園』など一連の松田聖子作品、そして薬師丸ひろ子『Woman “Wの悲劇“より』など、こちらも名作揃いだよね。 お客さん:なぜ、松任谷由実と呉田軽穂を使い分けるのかな? マスター:そこなんだよね。ユーミンをプロデュースしていた元東芝EMIの下河辺晴三さんによると、実は単純明快で、「いずれ自分がアルバムなどで歌う場合は松任谷由実名義で、歌うつもりがない場合は呉田軽穂を使う」ということだそうだよ。 お客さん:わかりやすい!『時をかける少女』は、ユーミンのアルバム「VOYAGER」の中でセルフカバーしてるもんね。自分が歌ってもおかしくないという線引きがあっての松任谷由実名義だったのね。  おっ、次の曲は……。 文/安野智彦 『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)などを担当する放送作家。神田で「80年代酒場 部室」を開業中 参考:富澤一誠『J-POP名曲辞典300曲』(株式会社ヤマハミュージックメディア)/『日経エンタテイメント!80's名作スペシャル』(日経B Pムック)

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