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テレワークで剥がれた“化けの皮” 日本企業は過大な「ツケ」を払うときが来た

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ITmedia ビジネスオンライン

テレワークが会社をアカンようにするのではない

 ここまでテレワークのメリットを並べ立ててきたわけだが、では即時テレワークを導入し、仕事を全てオンライン化すれば従来抱えていた問題が解決するかといえば、もちろんそんなことはあり得ない。むしろ、表面的な形だけマネるかのような「なんちゃってテレワーク」は問題をさらに広げてしまうことになるだろう。  とある居酒屋さんの立看板に書かれたフレーズがSNSで拡散され反響を呼んだことをご存じだろうか。筆者も実に名言だと思う。  「酒が人をアカンようにするのではなく、その人が元々アカン人だということを酒が暴く」  今、形だけテレワークを入れて混乱している職場は、この名フレーズの調子を借りればこのように言い換えられよう。  「テレワークが組織をアカンようにするのではなく、もともとのタスク管理や仕事の進め方、会議設計、上司のマネジメント能力、メンバー間の信頼関係、評価制度、労務管理などがアカン組織だということをテレワークが暴く」  そう、うまく回っていないのはテレワークやオンライン化のせいではない。「その会社に元からあった問題が、テレワークをきっかけに顕在化した」だけなのだ。 従業員がサボっているか心配!  サボる人は出勤していようが、テレワークであろうがサボる。「サボっているかどうか」という仕事の「プロセス」部分ばかりを気にするあまり、本来重視すべき仕事の「成果」の定義が曖昧で、測定も評価もできておらず、成果を出すことについて社員への動機付けや督励がないのではないことこそが、実は問題だ。そもそもサボっていても成果を出せていれば問題ないし、サボらず真面目に勤務時間をいっぱいまで使って仕事に精を出しても、最終的に成果を出せないならばそれは問題であるはず。こんな心配事は、「社員を信頼していない」と公言しているようなものだ。 【参考】話題の「社員PC監視ツール」がテレワークを骨抜きにしてしまう、根本的理由 社員を管理できない!  「サボり問題」と似たこの問題だが、「管理」ではなく「監視」をして安心したいだけではないのか、と問いたい。個々の社員の目標と進捗を把握し、目標達成に向けて現在の課題を洗い出し、その解決を上司がサポートすること。すなわち、部下が成果を出しやすい環境を整備することが本来あるべき管理の在り方であるはずだ。これはオンラインでも問題なくできるはずが、普段からそういった管理をやっていない職場だからこそ、テレワークになって顕在化したかのように見えるのである。 【参考】テレワーク中にサボっていないか、日本企業が従業員を熱心に監視してしまう理由 書類にハンコが要る!  社内文書であれば押印廃止もペーパーレス化もすぐに実現できるし、社外取引においても、「当事者間で合意した」という事実認定がなされれば契約成立するものなので、法的には契約書面がなくとも、口頭やメール、LINEのやりとりなど、何らかの形で合意が成立していさえすれば有効である。テレワークをすることになってあらためて問題視されている「紙とハンコ」だが、オフィスで仕事をしている場合でも決裁のスピードを遅滞させたり、書類の管理に手間がかかったりといった問題はそもそもあったはずだ。 【参考】テレワークを阻む「ハンコ文化」は政府の“太鼓判”で消え去るのか?  さて、ここまでは本連載でもこれまで取り扱ってきた問題である。今回はもう2つ、テレワークで顕在化したかに見えるが、もともと日本企業の問題であったものにメスを入れたい。それは「コミュニケーションがうまくとれない」「オンライン会議では何も決まらない」といった問題だ。これも上記と同様で、テレワークやオンラインだからうまくいかない、ということなどなく、そういう会社は普段からコミュニケーションがうまくとれておらず、何も決まらない会議をしていたということなのだ。

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