全長45メートルの踏切 電車にひかれ男性死亡 今年で2件目
横浜市鶴見区生麦3丁目の生見尾(うみお)踏切で9月29日午後11時ごろ、JR東海道線の熱海発東京行きの普通電車(15両編成)に男性がひかれ、死亡した。神奈川県警鶴見署によると、この踏切での死亡事故は今年2件目。 死亡したのは、鶴見区に住む飲食店従業員でベトナム国籍のブオン・バン・ロンさん(26)。 この踏切は京急生麦駅の近くにあり、全長約45メートルでJRの上下6線が通っている。途中で渡りきれない場合に待機できるよう、線路と線路の間に緩衝地帯が1カ所設けられている。線路内は路面を赤色と緑色に塗って目立たせている。 監視カメラの映像では、男性がスマホを見ながら歩いて踏切に入っており、署は、男性が緩衝地帯と間違えて線路内に立ち止まった可能性があるとみている。 この踏切では今年4月にも50代男性が、緩衝地帯と間違えたとみられる事故で亡くなっているという。 2013年に80代男性が踏切を渡りきれずに、電車にひかれて死亡する事故があり、平日の日中には監視員2人が定期的に巡回している。 30日午前、現場では遮断機が下りても踏切を渡りきれない高齢者の姿があった。監視員が遮断機を持ち上げ、緩衝地帯に誘導していた。 監視員の70代男性は「月に1回は車が2台続けて入って(遮断機が下りて踏切内に)止まってしまうこともある。遮断機が下りかけているのに渡る人もいる」と話す。 JR東日本横浜支社は「踏切の安全対策は最重要課題の一つ。巡回、看板などによる注意喚起、カラー塗装、啓発活動などに引き続き努めていく」とした。(稲葉有紗)
朝日新聞社