“母親の再婚相手”から虐待されて「殺してやろう」と復讐を決意…4歳から壮絶な虐待家庭で育った男性(31)が、それでも義父との再会後に“許した”ワケ
生まれて初めて「しんどい、助けてほしい」とSOSを発信
――当事者支援活動を通して、何か心境など変化はありましたか。 ブローハン 自分が縛られていた「家族」というワードから解放されたのは1つの変化です。僕は「お母さんの家族の輪から、自分はちょっと外側にいる」と感じることが日常の中でよくあって、それが寂しかったんです。そして経済的に厳しくても仕送りを続けたりしたことで、誰にも悩みを打ち明けられずに追い詰められてしまったこともありました。 そんな中で「菊池さんなら、わかってくれるかもしれない」と思い、生まれて初めて「しんどい、助けてほしい」とSOSを発信することができたんです。 ――人を頼れるようになる、というのは大きな変化ですね。 ブローハン 自分の弱さや生きづらさ、葛藤と向き合えるようになったんだと思います。僕が当事者として発信活動をしているのも、ただ「かわいそう」で終わってほしくないと言いますか、言葉を届けた先にいる人たちと一緒に、その問題について考えて変えていく、という目的があるんです。それって僕の中ですごくポジティブな活動であって、「それなら自分も力になれるかも」と思いながら発信をしています。
虐待や無国籍、経済的な困窮…問題を抱えている人は周りにたくさんいる
――支援活動を行う中で、虐待の問題や児童養護施設の抱える問題などについて、どのような課題を感じていますか。 ブローハン 今まで、自分がどれだけ社会の問題に無関心だったのか、ということに気付きましたね。そういう人たちってまだまだ多いと思っていて。例えば自分の半径8メートルの世界にはたくさんの困っている人たちがいるのに、それを見ずに「紛争地域の子たちの助けになりたい」とか、半径8メートルより先の人たちのことばかり助けようとしていたんだな、と。 周りの人たちと話せば話すほど、虐待や無国籍の問題を抱える人たちがいたり、経済的に困窮しているシングルマザーがいたりするんですけど、身近な人たちの助けにすらなれていないのに、より遠くの問題にばかり目がいってしまう。それっておそらく「知らない」から起こることであって、それ自体が社会の課題なんだなと思います。 ――そもそも社会にはどんな問題があって、そこにはどんな事情があるのかを知らなければ解決には向かわないということですね。 ブローハン そうですね。例えば虐待死のニュースひとつを見ても、親や児童相談所を叩いて終わるのではなく「なぜそうなったのか」に目を向けて、知って理解し、根本的な問題を取り除いていかないと、また次の被害者を生んでしまうと思っています。
【関連記事】
- 【つづきを読む】「裸でベランダに放置され…」「ライターで皮膚をあぶられた」4歳で義父から“壮絶な虐待”を受けた男性(31)が明かす、家庭内暴力が始まった“きっかけ”
- 【もっと読む】「局部を握らされ、お尻に入れられそうになった」小1で“性的虐待”を受けたことも…“壮絶な虐待家庭”で育った男性(31)が語る、児童養護施設に入った経緯
- 【衝撃画像を見る】「裸でベランダに放置され…」「ライターで皮膚をあぶられた」義父から壮絶な虐待を受けていた子ども時代のブローハン聡さん
- 「お母さんは16歳で僕を産んだ」「何日もオムツを替えられず放置され…」“戦隊俳優”古原靖久(37)が明かす、児童養護施設に入った経緯
- 遠野なぎこ(43) 虐待で絶縁した母親の自死を告白「3人目の旦那がガンで亡くなった次の日…」