【陸上】大迫傑×桐生祥秀×寺田明日香が高校生向けプロジェクトで最後のメッセージ
6月から実施してきた中高校生向けのオンラインプロジェクトを締めくくる特別イベントで、発起人である大迫傑(Nike)、桐生祥秀(日本生命)、寺田明日香(パソナグループ)が活動を通しての感想を語った。 第87回箱根駅伝 早大1年生の大迫傑はスタート直後から集団の先頭に立つ
「日本生命 高校陸上ウィズ・アスリーツ・プロジェクト」は、インターハイが中止となった高校生アスリートをサポートするために発足。発起人となったのは男子マラソン日本記録保持者の大迫、男子100mで日本人初の9秒台をマークした桐生、そして女子100mハードル日本記録保持者の寺田の3選手で、これまでリモート形式によるオンラインサミットを皮切りに、高校生とその指導者とのオンライン対談、そしてオンライン陸上サマースクールを開校してきた。 その活動を通して3選手が感じたことは、自分自身にとっても大きなものだったようだ。
Q.プロジェクトを振り返って。
大迫 傑「引き続き取り組んでいきたい」 「背中を押して欲しい選手たちのモチベーションになれたかなと思います。それに加えて、私がこの夏に開催した合宿ではエリートたちを集めて彼らのモチベーションをどう高めるかという2つを試せたので、これからも引き続き取り組んでいきたいと思います」 寺田明日香「また会いたいです」 「技術のこともそうですが、キャリア選択とか人との付き合い方、コミュニケーションの取り方について、 高校生から質問が多くてすごくうれしかったです。 現在は自粛も緩和されて、ひとつ、ふたつと試合に出て、改めて『あのサマースクールがあったから陸上に取り組む姿勢が少し変わった』と思ってもらえると良いですね 。みんなどうしてるのかな? また会いたいです」 桐生祥秀「直接指導できて良かった」 「動画を送っていただいたご本人と直接コミュニケーションを取りながら指導することは今までなかったので、非常に良かったですね!! 選手たちが何を考えながら走っているかのかも分かりましたので」
Q.新型コロナ禍において次世代アスリートに求められるものは?
大迫 傑「自発的な行動力」 「自発的な行動をできるタイプ、できないタイプが二極化するようになったのは、コロナ禍で日常に変化が出てきたころからだと思います。逆にそれが明確になったからこそ、トップの選手たちはどんどん伸びていくと思いますし、(自発的な行動をとりづらい)選手たちは、僕らや監督、コーチがしっかり背中を押さないと格差が広がってしまう。今後の課題として、トップだけにフォーカスするのではなく、僕の知識のなかで幅広く教えていけたらいいなと強く感じました」 寺田明日香「積極性」 「積極性がある選手は伸びていくと思いました。発言できる選手って欲しい情報をゲットできるし、自分のこともアピールできる。オンラインだったら、特に発言しないと目立てないし、自分でキャッチできないので」 桐生祥秀「対応力」 「一番大事なのは対応力ですね。日本の中高生には普通にグラウンドがあるというのが当たり前で、その環境がコロナ禍でなくなったときに、『道でもいいから走る』という対応ができる選手が伸びるかなと思います。この期間は、トップのアスリートたちもナショナルトレーニングセンターは使えなかった。しかし、道でも走る対応ができていたアスリートたちが結果を出していると思います」