第94回選抜高校野球 木更津総合に春切符 主将「日本一目指す」(その1) /千葉
<センバツ高校野球> 第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の出場校を決める選考委員会が28日開かれ、木更津総合(木更津市)の出場が決まった。6年ぶり4回目の出場に、選手や学校関係者は歓喜に沸いた。木更津総合は2021年秋の関東大会で4強入りした。センバツは3月4日に組み合わせ抽選会があり、同18日に開幕する。【長沼辰哉】 真板竜太郎校長と報道陣は校長室で、大会本部からの連絡を待った。校長室の様子は職員が動画で撮影し、1、2年生のいる教室に中継され、全校でその時を待った。 「プルルルル」。午後3時20分ごろ、卓上の電話が鳴り、真板校長は出場決定の知らせに「ありがとうございます。謹んでお受けします」と応え、受話器を置いた。ほっとした表情で立ち上がり、一礼した。 グラウンドでは部員たちが整列して吉報を待った。電話から約5分後、真板校長が「ただいま大会本部から連絡をいただき、センバツ出場が決定しました」と伝えると、部員は互いに顔を見合わせ、表情が一気に和らいだ。真板校長が「甲子園で大暴れしてください」と激励すると、中西祐樹主将(2年)は「日本一を目指して全力で戦います。応援よろしくお願いします」と力強く語った。 その後、校内で行われた記者会見で中西主将は「2020年の秋の関東大会、昨夏の県大会で敗れて悔しい思いをしてきました。出場が決まってうれしいです」と胸をなで下ろした。開幕までには「好調だった上位打線だけでなく、下位打線も強化したい」と語った。チームの特徴を「言いにくいことでも強く言い合えること」と表現。憧れの大舞台で「エースの越井を中心に守備からリズムを作り、緊張感を持って最後まで粘り強い野球がしたい」と誓った。 五島卓道監督は「このチームは努力家が多い。コツコツやってきた成果がポーンと出た」と手放しで喜んだ。出場の決め手となった秋の大会について「関東大会準々決勝の後、選手が見せたうれし涙は忘れられない」と、しみじみと振り返った。開幕までの課題は「一つのミスが命取りになる」と守備力の向上を挙げた。また、甲子園に向けたキャッチフレーズを「自信」と発表。「我を疑わず、自信を持って伸び伸びと頑張りましょう」と、会場に集まった部員らに奮起を促した。 ◇「夢かなう」「恩返しを」 センバツ出場決定の知らせを聞いた木更津総合の選手たちは、甲子園での活躍を力強く誓った。 新チーム発足からエースナンバーをつける越井颯一郎選手(2年)は「去年の夏、あと少しで甲子園出場を逃したので、センバツ出場が決まってうれしい。日本一になるため、チームを勝たせられる投手に必要なことを考えて練習したい」と意気込んだ。 昨秋の公式戦で6試合に登板した金綱伸悟選手(同)は「支えてくれた両親に報告をしたい。甲子園の舞台では堂々と投げ、一人一人確実に打ち取りたい」と語った。 4番を任されている水野岳斗選手(1年)は「率直にうれしい。チャンスの場面でランナーを還すのが自分の役割。ヒットを量産し、ホームランも打ちたい」と力を込めた。 秋の大会でチームトップの打点を挙げた山田隼選手(2年)は「小学生の時からテレビで見ていた甲子園への出場が決まり、夢がかなう。持ち味の力強いバッティングで、関東大会で敗れた明秀日立(茨城県)にリベンジを果たしたい」と話した。 昨秋の公式戦で勝負強い打撃を見せた芦川正真選手(1年)は「ほっとしている。コロナ禍で支えてくれた家族や学校の先生に恩返しできるようなプレーをしたい」と笑顔を見せた。 ◇ナインにエール 市役所 木更津市役所では28日、庁舎内に木更津総合のセンバツ出場を祝う掲示がされた=写真。 駅前庁舎の観光振興課と、朝日庁舎の市民課で午後3時半過ぎに張り出され、職員らは「頑張って応援します」とナインにエールを送っていた。【浅見茂晴】