スタジアムの騒音が電力に? 米の高校生が「音」からの発電に成功
ギョンユン氏は、この研究によって高校生を対象とした世界最大の国際科学コンペティションである「リジェネレーション国際科学工学フェア 」で、2024年のファイナリストの一人に選ばれた。コンペティションを主催するSociety for Scienceの社長兼CEOであるマヤ・アイメラ氏は、ギョンユン氏の研究を「革新的だ」と称賛した。また、ミシガン大学の機械工学者であり、『Piezoelectric Energy Harvesting(圧電エネルギー収穫)』の共著者であるダニエル・インマン氏も、課題は多く残されているものの、この技術の実現可能性を認めているという。 ギョンユン氏は、スポーツスタジアムのほか、交通量の多い都市部や機械の騒音が絶えない工場などにもこの技術を適用できるのではないかと、Smithsonian Magazineに対して述べている。もしかすると、音楽のライブ会場やコンサートホールにも適用できるかもしれない。ときには公害となる騒音や、まさに人々のエネルギーとも言える歓声や音楽が、私たちの生活を支える電気になっていく。そんな未来が、待ち遠しくはないだろうか。 ※World electricity generation by source (https://ember-climate.org/)
相馬素美(そうまもとみ) 横浜で生まれ、大学ではクラシック音楽を専門に学ぶ。 ヨーロッパのサステナブルな取り組みや、サーキュラーエコノミーへの関心が特に高い。 また、ソーシャルグッドな音楽ビジネスの可能性を研究中。 好きなものは、音楽全般、アート、ファッション、北海道、アボカド、チョコレート、日本酒。
編集:IDEAS FOR GOOD