市長「後ほど文書で回答」「中学生議会での答弁を確認して」 本会議進まず打ち切り 広島県安芸高田市議会
広島県安芸高田市議会は4日、本会議を開き、一般質問を始めた。石丸伸二市長は、昨年9月に自身がツイッターで本会議中の市議の居眠りを指摘したのを巡り、一部市議から「どう喝」されたとする問題について自身と対話する意思を示していない市議2人の質問に対し、「後ほど文書で回答する」、中学生議会での答弁を確認するようになどと答弁。市議会は答弁内容が不十分として本会議を打ち切り、5日に延期した。 石丸市長と市議会を巡る主な動き 順に質問に立った2人が、新型コロナウイルスのワクチン接種の準備状況や副市長の全国公募などについて問うた。石丸市長は、2人が対話の意思を示していないとした上で「直接市民に公表する」「必要があれば情報開示する」などと答弁。これまでの経緯や検討状況など詳細な説明を求められたが、同様の答弁に終始した。市の婚活事業の廃止に関する質問では石丸市長が、2月にあった中学生の生徒議会で廃止の理由を説明しており、その内容を確認するよう答弁する一幕もあった。 2人目の質疑の途中で、別の市議が「質問と答弁がかみ合っていない」として、休憩を求める動議を出した。市議会は休憩中に議会運営委員会を開き、対応を協議。本会議の再開後、宍戸邦夫議長が執行部に誠実で的確な答弁をするよう勧告し、5日に延期すると伝えた。傍聴した市民たちからは、不満の声が噴出した。 石丸市長は一般質問を前に、市議会が2月に居眠りやどう喝に関する今後の対応について意見を集約した際、自身の意見を聞く場を持つべきだとの意思を示した6人のみに答弁すると表明していた。今回の質問者は11人で、4日の2人はこの問題を今後も取り上げるべきではないと意思表示した9人に含まれる。 石丸市長は報道陣の取材に対し「対話をしないという人に語っても意味がない。市民の代表としての振る舞いをしてほしい」と強調。市民の不満については「重く受け止め、責任を感じている」と述べた。宍戸議長は延期を決めた理由について「執行部が対応を検討する冷却期間が必要と判断した」と説明した。 5日は、4日に途中となった質問者を含む5人が質問する予定。5日に予定していた残り5人の質問は8日の予備日に回す。 一般質問を巡っては1月、石丸市長が市議会全員協議会で居眠りやどう喝に関する報告案件を扱おうとしたのを市議会に認められず、「次の一般質問には答えられない」と発言。今月1日には、全市議16人に対話の意思の有無を確認する文書を配布したが、期限に設定した3日までに返答した市議はいなかった。
中国新聞社