背番号未定……期限付き移籍か、レアルトップチーム抜擢か、久保建英の行先が揺れている理由とは?
レアル・マドリードは久保との交渉の過程で、1年目はBチーム、2年目はトップチームへの昇格か、あるいはレベルの高い他チームへの期限付き移籍というオファーを提示。2年間はBチームでプレーさせる青写真を示した、久保の古巣でもあるFCバルセロナとの違いが移籍への決め手となったとされる。 ただ、久保が予想を上回るポテンシャルの高さを見せたことで、クラブの幹部もラ・リーガ1部でプレーさせた方がいいのでは、と久保の育成戦略を変更した。そうした流れもあってバジャドリードへの期限付き移籍が合意へ近づいたが、バジャドリード側もセルヒオ・ゴンザレス監督が「その話題について私は何も知らない」と公言するなど、フロントと現場との間で認識の食い違いが見られていた。 バジャドリード内の不透明な状況に加えて、レアル・マドリードを率いる元フランス代表の英雄ジネディーヌ・ジダン監督(47)が、久保を定期的にトップチームの練習に参加させる方針をあらためて打ち出したことも、成長のスピードを速めると判断されたのだろう。スポーツ紙の『ムンド・デポルティーボ』は、久保本人と久保の父親がレアル・マドリードへの残留を強く希望したと報じている。 敵地で行われた17日のセルタとの開幕戦前にも、久保はトップチームの練習に参加している。最終的にはメンバーから外れたものの、セルタ戦へ向けた記者会見の席で、ジダン監督は「彼は貴重な選手だ」と明言した上で、久保の未来に対してこう触れている。 「当面はカスティージャでプレーすることになるが、久保はレアル・マドリードの未来だ。移籍市場が閉まるまではどんなことも起こりうると理解しているが、彼がここに残留してカスティージャでプレーすることで、成長してほしいと思っている」 現場は手元に置くことを希望し、一方でフロントは武者修行に出す青写真を描く。未来へ向けた対照的なアプローチが用意されているからこそ、現時点で久保には背番号が与えられていない。 現状のままで夏の移籍市場が閉じた場合には久保がプレシーズンマッチで背負い、現時点では空き番となっている「26番」がおそらく用意されることになる。