ダイエット前に知っておきたい5つのこと
炭水化物の重要性を知る
炭水化物は悪者扱いされることが多く、痩せたければ避けるべきだと言われている。けれど、まずは炭水化物を食べると体内で何が起き、どのように分解されるのか、その仕組みを理解しよう。 炭水化物は糖の分子でできているので、私たちの体は炭水化物をもっとも簡単な形である糖に分解する。フルーツでもパスタでもキヌアでも、炭水化物はすべて同じように分解されて血流に吸収される。唯一の違いは、複雑な炭水化物であればあるほど、体が消化、吸収するまでに時間がかかるということ。 ブドウ糖(糖)が血液中に吸収されると、インスリンというホルモンが分泌される。インスリンが鍵のような働きをすることで、体内の細胞が開き、ブドウ糖が取り込まれ、エネルギーが作られる。つまり、炭水化物がない=ブドウ糖がない=インスリンが分泌されない=エネルギーが作られない、ということになる。 インスリンはまた、“グリコーゲン” としてブドウ糖を蓄えるのに役立つ。これらのグリコーゲンの貯蓄は不可欠で、(食事をしなくても)エネルギーが必要なときにはいつでも供給源になる。 十分な炭水化物を食べていないと、グリコーゲンの貯蓄はほとんどなくなる。ここで重要なポイントは、グリコーゲンが貯蔵される際、水も一緒に蓄えられることだ。グリコーゲンが多く貯蓄されているというのは、水も多く貯蓄されていることになる。低糖質な食事をしたあとに、体重が落ちたと感じるのはこのため。実際には体重(脂肪)が落ちたのではなく、肝心なグリコーゲンの貯蓄が枯渇したことによって、水分が不足しただけ。 炭水化物は摂取すべきエネルギー源であり、筋肉や代謝を守るのにとても重要。十分な量を摂取していないと、体はエネルギーを求めて探し回り、たいてい体内の蓄えや組織がエネルギー源となる。体内のたんぱく質(筋肉や内臓)が分解され、エネルギー源として使われないようにするには、炭水化物を食べてエネルギーを供給する必要があり、これによって筋肉を守ることができる。 筋肉量とエネルギー代謝(食物をエネルギーに変換する速度)は密接に関係しており、筋肉は失いたくないもの。なぜなら筋肉量の低下は、代謝の低下につながるから。代謝が遅くなると体重が一気に増加し、長期的に健全な体重を維持しにくくなる。実は炭水化物を食べることで、代謝が遅くなるのを防いでくれているのだ。