コロナの影響で休職 困窮家庭に支援は
2人の娘を育てる59歳の男性。持病の治療で休職を余儀なくされ、コロナ重症化のリスクから復職を見合わせています。困窮する生活の中、3月は娘2人が進級するための出費も。生活がひっ迫している子育て家庭への支援はいま。
■“コロナ”で困窮する中、娘2人が同時に進学
「『受かった』が第一声だったかな。隠れて泣きましたよ。」 そう話すのは、2人の娘を育てる男性(59)。中学3年生の長女の高校合格を泣きながら喜んだといいます。娘は中学3年生と小学6年生。長女の高校進学に加え、二女もこの春から中学に進学します。 畑下由佳アナウンサー 「進学にかかる費用はどのくらいなんでしょうか」 男性 「制服、上着、ズボン、鞄、教科書代…。高校行くだけで30万かかる」 3月は、2人の進学費用として計50万円ほどかかるといいます。ところが男性は、この進学費用の捻出に困っていました。長年タクシー運転手として働いてきましたが、持病の治療のため、おととし夏から休職を余儀なくされていて、コロナの重症化のリスクを考え、復職できない状態が続いているからです。 男性 「疾患がありまして、糖尿・高血圧・ぜんそく。主治医からは『コロナにかかると最悪死を覚悟しないと』と言われた」 よく旅行に行っていたという家族の生活は、一変してしまいました。 畑下由佳アナウンサー 「今月入った生活費は?」 男性 「(私の)給料としてはゼロなんですけど、女房がコンビニで14万円くらい」 男性が働けなくなった代わりに、妻がコンビニでアルバイトを開始。しかし、14万円ほどのアルバイト代だけでは、家族4人の生活費は足りず、国による無利子の貸し付け制度を利用して補っています。生活は厳しく、進学する娘の制服などは知り合いからお下がりを譲ってもらう予定です。 男性 「(子供に)すごい惨めな思いをさせているんだなと痛感。教科書も上履きも買ってあげられないのが現状。助けてくれるというので有れば、3月しかない。1日でも早く。」
■困窮する子育て世帯への支援は
国はこれまで、新型コロナウイルスの影響で収入が減るなどして生活がひっ迫しているひとり親世帯に対し、1世帯あたり5万円、さらに2人目以降の子ども1人につき3万円を加えた臨時特別給付金を2度支給。一方で、男性のような2人親世帯への支給はありませんでした。 そこで、貧困問題などに取り組む支援団体は、ひとり親世帯に限らず、困窮する子育て家庭に3月中の現金給付を求め、国に約5万人分の署名を提出しました。 一方、菅総理は2日、「新たに給付金を支給する考えはない」とした上で緊急小口資金の限度額の拡大や、住居確保給付金の再支給など、今ある支援策で対応する考えを示しました。