遺族代表・松井登輝也さん

死者・行方不明者63人、戦後最悪の火山災害となった御嶽山噴火から9月27日で10年です。ふもとでは追悼式が行われ、大切な人を思うとともに安全を誓う一日となりました。 「亮太、出て来いよ」御嶽山噴火で行方不明　大学生の父親と叔父が独自の捜索「連れて帰りたい」災害から10年 犠牲者に祈りを捧げます。あの日から27日で10年です。2014年9月27日、午前11時52分。御嶽山が噴火。多くの登山者が巻き込まれました。 死者58人・行方不明者5人、戦後最悪の火山災害にー。 噴火発生時刻に合わせ黙とう―。 麓の王滝村では追悼式が行われ遺族ら70人が参列しました。 遺族代表・松井登輝也さん： 「お父さん、まだまだ一緒に過ごしたかった。親孝行ができなくてごめんね。私の自慢のお父さん、私を育ててくれてありがとう」 遺族代表であいさつした兵庫県の松井登輝也さん。父・貞憲さんを亡くしました。これまで父親を奪った山が嫌いだったということですが、10年がたち今年、初めて慰霊登山も行い、追悼式にも参列しました。 松井登輝也さん： 「父の思いを私が生きた教科書として伝えていくこと、災害の教訓を伝承していくことが今後の私の務めだと思っている」 噴火から10年大切な人を思い安全を誓う一日になりました。

夫の泉水さんを亡くした安曇野市の野口弘美さん。「この靴で帰ってきてほしかった」と泉水さんが履いていた登山靴を持ってきました。 夫を亡くした・野口弘美さん： 「（噴火を）知らない人が増えてきた。知っている人が教えてあげなきゃならない。伝え続けていくことが大事。みんなに応援されて守られて、助けられて、がんばっている」 次男の真友さんを亡くした東御市の荒井寿雄さんはー。 次男を亡くした・荒井寿雄さん： 「私も82歳になっちゃいまして、今年何とか慰霊登山で頂上まで登れたんですけど、10年なんて早いものだなと今、思っている。あれがなければ今、私は幸せだったんだけど」 愛知県の野村正則さんは、27日も山頂を目指しました。あの日、共に登った甥・亮太さんは行方不明のまま。県の捜索は打ち切られましたが、独自の捜索を続けています。 共に登った甥が行方不明・野村正則さん： 「連れて帰りたいという思いが一番強い。私にとっては10年間、亮太を待たせてしまった。自責の思いが強い10年」 10年たっても癒えることのない悲しみ。 教訓を伝え、二度と被害を起こさない。 犠牲者を思い、誓いを新たにする一日となりました。