オリックスD6位・片山楽生「チームを代表する投手に」 スピードスケート金メダルボディーでロケットスタートだ!
オリックスは29日、大阪市内のホテルで育成を含む12選手の新入団発表記者会見を行った。ドラフト6位の片山楽生(らいく)投手(22)=NTT東日本=は、小学校時代に1998年長野五輪のスピードスケート男子500メートル金メダリストの清水宏保氏(50)が練習していたスケートリンクで築き上げたたくましい心身をアピールした。 氷上で鍛え上げた強靱(きょうじん)な足でプロとしての第一歩を力強く踏み出した。光り輝く金びょうぶの前でルーキーの片山が見据えたのは、猛牛軍団のエースの座だ。 「プロの世界で戦っていくんだ、という楽しみ気持ち。チームを代表する投手になりたい」 2023年のWBC日本代表の宮城、同学年で昨季の開幕投手を務めた山下らに追い付き、追い越す。最速151キロと多彩な変化球が武器の即戦力右腕からほとばしる自信の根源は少年時代にある。 スケート競技が盛んな北海道・音更町で生まれ育ち、小学校の6年間は野球ができない冬季にスピードスケートに励んだ。練習していたスケートリンクは1998年長野五輪のスピードスケート男子500メートルで金メダルを獲得した清水宏保氏も使っており、何度かレジェンドの姿を見かけたこともあった。 片山は5年時に十勝エリアで3位に入る実力者だったが、練習がハードだったこともあって野球の道を選択。ただ、当時の経験は今につながっている。下半身が鍛えられただけでなく、精神面もたくましくなった。「鼻水を垂らして、涙も流して、クソ寒いなか(リンクを)回らされていた」と振り返る。かつて氷点下32・1度を記録した音更町で身につけたド根性でパの猛者に立ち向かう。 『楽生』という名前の由来は「楽しく生きる」という意味と英語のLIKE。「人に好かれてほしい」という両親の願いが込められている。 「淡々とクールに投げたいんですけど、『オラー!!』って投げていくしかないタイプ。プレースタイルを変えずに貫いていきたい」 即戦力として闘志あふれる投球スタイルで、清水先輩の代名詞だったロケットスタートを決める。(織原祥平)
■片山 楽生(かたやま・らいく) 2002(平成14)年10月7日生まれ、22歳。北海道・音更町出身。小学2年に野球を始め、共栄中では軟式野球部に所属し、3年夏には全日本少年軟式大会でベスト4。白樺学園高の2年秋には全道大会で優勝し、明治神宮大会で4強入り。NTT東日本では都市対抗と日本選手権にそれぞれ3度出場。最速151キロの本格派右腕。D6位でオリックス入団。177センチ、82キロ。右投げ左打ち。背番号「49」