社会保険料「106万円の壁」撤廃→労働時間「週20時間の壁」なぜ残す?パックン「制度をゼロから作り直すべき」
■複雑な制度設計、作り直しはできる?
「壁」の話だけでも、2つの省庁が絡み合い、非常に複雑になっている、パックンも「話を聞くだけですごくストレスが溜まる」とコメント。「全部取っ払ってゼロから作り直すべきだと思う。必ず社会保険に入らなくてはいけないことにするけれど、累進課税的に最初は1%、2%からスタートして、2~300万円稼げるようになったら5、6%に上げる。せっかく電子化しようとしているのだから、DXを活かして、全ての手続きが1つになって収入と出費が全部1つのサイトで管理されればいい。なんで政府の機関よりAmazonの方が使いやすいのか分からない。Amazonの技術を政府に導入するべきではないかといつも思う」と、根本的な制度の見直し、作り直しが必要だと訴えた。 これには、近畿大学・情報学研究所所長の夏野剛氏が自身の体験談も踏まえ「僕が規制改革をやっている時に、厚労省が一番、改革をするのに複雑な仕組みが裏側にあるので難しかった。利害関係者がたくさんいる。例えば雇用の問題に関しては労働組合の意見があり、企業団体の意見があり、みんな違うことを言う」と複雑さを説明。「何かを改革しようとすると、必ず誰かの利害にぶつかるので、官僚の皆さんと対峙していると『いや、分かっているのだけれど、そこはなかなか言えない』というものがすごく多い。一番多い省庁だなという感じはする。だから僕は厚労省の役人もかなり苦しいなと思う。医療制度の問題なんかも、医師会があり、薬剤師会があって、患者の会があってというふうに、ものすごい利害が複雑に絡んでいるので、バスッとゼロから作り直すのはできない」と述べた。 さらには「今の制度が作られた時の経済状況に最適化されて作られている。例えば雇用の問題に関しても非常に難しい。昭和の時代は企業が全部面倒をみろというのは、一時期国がまだ力がなくて、経済力を民間企業が持っていた時にいわゆる失業対策として企業、特に大企業に押し付けてきた歴史があるし、企業も余力があった。90年代以降、そういうわけにもいかなくなったが、やはり正社員の雇用は守らなきゃいけない。ただ、守れない中小企業がもう8割。ちょっと時代に合ってないなという感じはする」と加えていた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部