継続雇用(再雇用)で働く人は多い。再雇用で働く際の留意点とは?
2013年に高齢者雇用安定法が改正され、希望者全員に対する65歳までの雇用確保措置の義務化されました。そして2022年4月には、70歳までの雇用確保措置の努力義務化されたことで、ますます高齢者の就業機会は拡大されることとなっています。 厚生労働省の令和2年「高年齢者の雇用状況」(※1)よると、65歳までの雇用確保措置を導入している企業の76.4%が継続雇用制度を導入しています。
令和2年「高年齢者の雇用状況」(厚生労働省) (出典:厚生労働省の令和2年「高年齢者の雇用状況」(※1)) 筆者は20年以上、定年後のライフプランに関わっています。再雇用になると、現役時代と社会保険はどのように変わるのか? といった相談をいただくことも多くあります。 「定年後の再雇用時の手続き」は勤務先担当者が手助けしてくれることも多く、難しいことではありませんが、現役時代との違いを知っておくことは役に立ちます。一緒に確認していきましょう。
再雇用で働く際の留意点
留意すべき点を3つに分けて説明いたします。1)2)の社会保険は勤務先担当者によって手続きが進められます。 1)雇用保険 2)健康保険、介護保険、厚生年金保険 3)その他 Aさん(男性)を例に説明していきましょう。 ●定年退職日:2022年1月31日 ●現役時代給与:35万円(交通費含む) ●再雇用時給与:25万円(交通費含む)
1)雇用保険
定年退職の時点で失業給付(基本手当)を受給できる権利が発生します。しかし、再雇用としての収入を得ることとなりますので、失業給付は基本的には受給できません。一方で60歳以降、雇用保険に加入しながら働くことで受給できる給付もあります。これを「高年齢雇用継続基本給付金」といいます。
<条件> 再雇用時の賃金が現役時代(60歳時賃金)の75%以下に低下し、以下の条件を満たすことが必要です。 1. 60歳以上65歳未満の一般被保険者であること 2. 被保険者であった期間が5年以上あること <手続き> 基本的には勤務先の担当者が行ってくれます。60歳時賃金の確認、高年齢雇用継続基本給付金の振込口座の指定等が必要になります。 <支給額> 賃金低下率に応じて支給率が設定されています。低下率61%以下の場合は各月賃金の15%です。支給額は計算式に基づき決定されます。