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狭域での事業を通して思うコミュニケーション方法

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ITmedia ビジネスオンライン

※この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。  今回の「リクルートOBのすごいまちづくり2」の発刊にあたり、私の担当章では約130社のフランチャイジーの一つとして兵庫県の伊丹市、尼崎市、宝塚市で運営している「まいぷれ事業」のことを書いています。  弊社の「まいぷれ事業」は、地域情報プラットフォームとしての生活情報ポータルサイト事業「まいぷれ」、地域共通ポイント事業「まいぷれポイント」、自治体からのふるさと納税業務受託事業の3つを市単位で行っています。  原稿のサブタイトルとして「顔の見えるコミュニケーションで地域の課題を解決」と付けていますが、市単位の狭域で事業を行っているためFace to Faceのコミュニケーションが重要です。  このようなことを書くと、昭和の営業マンが相変わらずの事を言っていると受け取られるかもしれませんが、その見方も半分当たり、半分はずれかなと思います。  今回の新型コロナ感染をきっかけに国全体で仕事でのリモート対応がかなり求められ、実際にこれまでより出社せずにリモートで業務が進むことが増えています。ただ、リモート対応が進んだ部分の大きな割合は、大企業の社内会議や、大企業が関わる社外との打ち合わせで、そもそももっと早く業務改善、効率化が進むべき領域だったのではないでしょうか。私もこの流れは賛成ですし、もはやこの方向が加速することは間違いないでしょう。  一方で私が普段接している街のお店とのやりとりを一朝一夕に進められるかというと難しい部分が多くあります。お店側のシステム環境やITスキルの部分が大きなネックになっています。  ただ、Zoomやスカイプを使ったコミュニケーションは無理でも、数年前はメールでの連絡も限られたお店だったのが、最近はLINEやメッセンジャーでの連絡ができる店も多く、以前よりもコミュニケーション手段が増えているのも事実です。  メールが世の中に現れて自分の業務時間が中断される機会が減り、移動時間も削減できるようになってきた20年前くらいにも思ったことですが、この便利になって削減された時間や手間はより充実したFace to Faceコミュニケーションに充てられるべきではないかと。  リモートで済ませるべき内容とFace to Faceにする内容の仕分けをすることが、業務を進める上で大切なスキルになってきたのではないでしょうか。社外だけでなく社内のコミュニケーションでも信頼関係を築くために、いかに2つの手段を組み合わせていくかが重要です。  今回のコロナ禍という非常事態で、会社や個人が取引先とどのような信頼関係を築けているかが平常時よりはっきり表れる場面が増えました。もちろん弊社や私との関係先でもうまくグリップできていなかったところはありますが、こんな時だからこそ普段からの信頼関係が生きた事例を紹介します。  現在のコロナ禍において、ほとんどの自治体でも店舗支援策が喫緊の課題です。4月の尼崎市においても同じ状況で素早い施策が求められていましたが、既に経済部署では多くの施策の対応に人員が割かれていて、予算は付けられるがそれを執行するスタッフがいないという状況の中で、チケットリターン型のクラウドファンディング案が出ていました。  ゴールデンウィーク休みに入る前日に初めて相談を受け、その時点でクラウドファンディングの知識はほぼゼロだったのですが、ここで生きたのが千葉県柏市、東京都江戸川区で同様のクラウドファンディングを先行で運営していたまいぷれパートナーとの関係でした。  約130社あるまいぷれパートナー企業全てと親密なコミュニケーションを取れているわけではありませんが、この2社とは3カ月ごとに開催される全国のまいぷれパートナーが集まる会議などで何度も顔を合わせて情報交換をしている仲でした。2社から立ち上げや運営の方法を詳細に教えてもらい、制作機能を持っている江戸川区パートナーに制作物は発注することで予算と納期の圧縮を実現することのめどが立ちました。  その後、尼崎市とは5月3日に初めて具体的な立ち上げの打ち合わせをしてから、「あま咲きチケット」と名付けた店舗支援施策は5月10日には参加店舗募集のプレ告知スタート、6月1日からのクラウドファンディングスタート、6月中旬に中間金を立て替えで店舗へ振り込みと、尼崎市からは「衝撃的なスピード」と評価される動きになり、目標額1000万円を大きく超える約9600万円の支援金を集めることができました。  尼崎市とはこのクラウドファンディング事業の前から、いくつか委託事業でお付き合いをしていたのと、別の新規事業での打ち合わせをしている中でのコロナ禍でした。それまでの事業運営や打ち合わせで築いた信頼関係をベースに、非常事態の相談相手として声が掛かり、市も予算の専決処分や補正予算での増額などスピードも含めて大変頑張って支援を整えてくれ、官民協働の良い動きになったと思います。(事業は12月末まで継続中)  今後もリモートワークが進む中で信頼関係を築くには、最初や最後で抑えのFace to Faceがやはり重要なポイントになるのではないでしょうか。これがグローバルな大企業まで全てにあてはまるとは思いませんが、ローカル中心の会社や社内のコミュニケーションでは、ここぞという時により重要性を増してくるような気がしてなりません。 (加藤 淳)

ITmedia エグゼクティブ

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