東京五輪に向けてJリーグの考えていること
クラブ単位のユース国際大会の創設
――7年後の2020年には東京五輪が開催されます。 「Jリーグとしても、もちろん意識します。まず育成に関しては、7年後というマイルストーンができたわけです。ウチのクラブから東京五輪の代表選手を出したいと思うでしょうし、7年後へ向けて育成のあらゆる環境が見直され、血眼になってタレントを探すでしょう。サッカーは会場が東京以外にも分散するので、スタジアムや練習施設、キャンプ地を充実させるチャンスでもある。Jリーグは東京五輪の後も続くわけですから、地域スポーツのコアとなるJクラブになるためには、東京五輪をどう生かしたらいいのか、ということも常に考えていかないといけない」 ――その育成面において、Jリーグとしてはどのようなプランを描いているのでしょうか。 「試合環境ですね。いままでU‐13、U‐14のリーグを作ってきましたけど、プロになれるかどうかが見極められるU‐16の試合環境に目を向ければ、まだまだ課題は尽きません。クラブ単位で国際経験を積める機会も圧倒的に少ない。ヨーロッパの子どもたちはバスで国境を越えて、頻繁に国際試合を経験しています。同じヨーロッパであっても、国境の向こう側では異質なサッカーがあるわけです。極東に位置する日本はそういう環境にないので、どうしても同質性の高い選手ばかりになってしまう。ならば、国際経験を積める機会を作ればいい。それにはお金がいる、ということです」 ――Jリーグが主導する、あるいは補助する形で国際大会を創設する、と。 「クラブ単位の大会ですね。いまも国際ユース大会がいろいろなところで開催されていますけど、どうしても代表がメインになっていますよね。日本でクラブ単位の国際ユース大会を開催すれば、参加した海外のクラブから今度はその国で行われる国際大会に招待される。そういう関係をたくさん作り、戦略的に経験を積ませるクラブが南米や北中米で増えています。UEFAに所属していないハンデをどう克服するか、というテーマは日本にも共通していることですからね」