「五輪ありき」広がる違和感 島根県の丸山知事発言、SNSで共感
島根県の丸山達也知事による聖火リレーの中止検討の表明は、会員制交流サイト(SNS)上でも反響を呼び、発言のたびに書き込みが相次ぐ。17日の表明から10日間、新型コロナウイルスの収束が見込めない中で、五輪開催を大前提とする政府方針への違和感が提示され、率直な議論を求める声が続いている。 【漫画】丸山知事描いたこんな場面も 表明の翌18日、ツイッターでは「#頑張れ島根県知事」がトレンド入りした。「コロナ対策に万全を期した五輪は無理」「冷静に考えればやれるわけない」「命や健康とのてんびんをかけたオリンピックなど望んでいません」。緊急事態宣言で制限を迫られる一方、後手に回る国の対策や、大会組織委員会前会長の女性蔑視発言に批判が高まった時期。五輪開催そのものに対する肌感覚の異論が多く並んだ。 18日には自民党の竹下亘元総務会長(島根2区)が「注意をしっかりしないといけない」と発言。「地方は中央の指示に従えという国会議員の思いが垣間見える」「地方を無視しての開催は素直に応援できないし楽しめない」と、地方と国の関係の議論も招く。丸山知事が都内で国会議員に要請した25日も「県民のために自ら考えて行動」と評価を交えた投稿が続いた。 共同通信社の2月上旬の全国電話世論調査で、東京五輪・パラリンピックの開催を「中止するべきだ」「再延期するべきだ」と答えた人は合わせて8割を超えた。 知事の発言を描いた漫画をツイッターで発信した漫画家ぼうごなつこさん(46)=東京都=は「思っていることを言い出せない雰囲気の中、勇気ある発言」と共感。1・2万の「いいね」が寄せられた。「感染が収束しないなら五輪は開催するべきではない。こういう考えが広がってほしい」と訴えた。
中国新聞社